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さて、第4号の特集①は「労働組合の新時代」です。
「派遣切り」、「派遣村」問題の2009年、日本社会は従来のあり方を問い返す歴史的な転換点を迎えている。そして、それは労働運動の新時代の幕開けでもある。
これまでの日本の労働組合は、日本型雇用を担う重要な一角として、正社員の既得権を守る組織としてばかり機能してきた。
一方、労働運動の先駆者である欧米の歴史においては、労働組合は社会形成に大きな役割を果たしてきた。市民社会をつくるときも、福祉国家をつくるときも、 労働運動ぬきにその実現は不可能だった。
しかし、いまや日本においても従来の「企業福祉」的な社会のあり方が崩れ、 新しい福祉国家が必要とされてきている。
本特集の前半では、そうした労働組合の社会的機能や歴史をふまえながら、日本の労働組合に必要な戦略と運動について展望する。
そして後半では、地域の人々、外国人、そして若者を支える新しい労働運動について紹介する。旧来の日本型組合がとりこぼしてきた問題に取り組んできたからこそ、そこには新しい社会をつくる可能性があるのではないだろうか。
こうした理論と実践から、労働組合がつくる新しい社会の可能性を考えたい。
労働組合の新時代は、もう始まっている。(「特集1 労働組合の新時代」扉より)
というわけで、特集前半は、労働組合の歴史や機能、今後の戦略について理論的に検証する内容です。
冒頭の田端博邦さんの「労働組合が社会をつくる」では、クラフトユニオンから市民社会や現代社会の形成など、19世紀に始まる労働組合の起源や社会的意義がわかりやすく解説されています。
また、ヨーロッパと比較しながら日本の労働運動の問題点、さらにはグローバルな貧困や金融危機に取り組む世界的な労働運動の最前線についても紹介しています。
労働組合について勉強しようとしている人へ入門的な内容となっています。
木下武男さんの「大失業時代における労働組合のヘゲモニー戦略」は、これまでの日本の労働、社会保障のあり方を改めて問い返し、労働組合がどのような福祉国家を構想し、その実現のためにどのような実践が求められているのかを議論しています。
後半は、これまでの日本型組合の問題点を克服しようとする個人加盟ユニオンの活躍の報告が続きます。首都圏青年ユニオンの河添誠さん、東京東部労組の菅野存さん、ITクリエイティブユニオンに入ったばかりのAさんらによる座談会「立ち上がる新世代の若者ユニオン」、東京ユニオンの高井晃さんのインタビュー「前例がないからやるんだ!~コミュニティユニオン30年の闘い」、山形と福岡のコミュニティユニオンを取材した「山形・福岡で広がるユニオン」、外国人労働者の組合の研究者ウラノ・エジソンさんのインタビュー「なぜ外国人労働者のユニオンが成功したのか」の4本です。
非正社員、外国人労働者、そして若者らが続々と加入することで拡大を続けるそれぞれのユニオンの活躍や、成り立ち、これからの課題などをユニークで豊富な具体例を交えながら、最前線の現場の声から紹介しています。
他にも、「労働組合の歴史と役割がわかるミニブックガイド」など多数の記事があります。ぜひご覧下さい。
次回は「特集2 「格差論壇」の座標軸」について紹介します。
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