今日もニュースを見ていたら、また殺人のニュースがやっていた。それも、とても長い時間をかけて。毎日テレビでニュースを見ていると、異様なまでに、全国の殺人事情に詳しくなれるほどだ。
さて、そんな中思ったことは、自殺についてだ。確かに殺人で死んでいる人も増えているようだが、自殺で死んでしまう人の数はほぼ毎年最高を記録し続けている。現在では年間に約35000人もの人が亡くなっている。計算すると、一日当り100人くらいにもなってしまう。
だが、私たちはこの人たちがどのように死んでいったのか、ほとんど知らない。同じ社会で暮らし、自殺に追い込まれた人たちの情報には、「公共性」がないとういことなのか。
一方で、最近過労死・過労自殺が増えている。先月エコノミスト誌(2006.7.25)で「過労死大国」と題した特集が組まれた。そこでは異常なまでの長時間労働の蔓延する実態が示されていた。今年6月に行なわれた全国一斉残業・労働トラブルのホットラインでは、「残業代を払ってくれないから請求したい」という相談よりも、「長時間の残業で過労死しないか心配だ」とうい相談の方が数を上回ったという。
先日雨宮処凛さんとお話したときも話題になったのだが、こうした過労死や、過労自殺の例は、特に若い人の間で増えている。なのに、マスコミは、殺人は報じても、自殺に追い込まれた人の実態はほとんど報じない。だから、どんな人がどのように死に追い込まれたのか、わからないのだ。
しかも、自殺の実態が見えない中、政府や財界は、残業を事実上無制限にする制度の導入を検討している。これを実施すれば、今は一応法律違反となっている長時間労働や、残業代の不払いも、堂々と行なえるようになる。自殺の増加(つまりは人間の命)など、全く気にも留めていないような議論だ。こうしたことをもっと報じてほしいと強く思った。
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