毎日、厳しい暑さが続いていますねえ~。
連日、ボクの部屋は、36℃ですう~。
ばててばかりもいられないので、この暑さともうまくつきあって、頑張って過ごしてます!
さて、今日お話するのは、
ボクがどうしてこの家にきて、なぜ「ぽてと」なのかということでしたね。
では、始めます。
第一章 ぽてと誕生
今、ボクは川越市に住んでいます。
でも、最初からここにいたわけではなくて、
昔は所沢に住んでいたんだ。
所沢にいたころに住んでいた家は、築二十年位のトタン屋根の木造の平屋だった。
四畳半と六畳と小さな台所と小さなお風呂場とトイレがあったっけ。
今時はもう高層マンションや格好の良いアパートが主流になって、ああいう家は見られなくなったけどね。
窓も木枠でぎしぎし言って、すきま風も平気で入り込んでくる家だったなあ。
ボクはこの平屋に来る前は、とある会社の購買部の狭い陳列ケースの中にいたんだ。
購買部には毎日毎日、パンやら飲み物やら、文房具やら、社員さん達がひっきりなしに買いに来て、
その様子をみてるだけでも面白かったなあ。
たまにこっちを振り向いた二十歳位の娘さん達が
「ねえ、あれ、見て見て!」
「うわあ~、カワイイ~」とこっちに寄ってきてくれるけど、
「あ、もう時間時間」とすぐに行ってしまう・・・。
そんなある日、購買部のおばさんが陳列ケースの鍵を開けて、ボクを取り出した。
びっくりしたなあ~。
レジのところに持っていかれて、どんな可愛い娘さんに買われていくのかと思いきや、
なんと目の前にいたのは、30ちょっと過ぎたくらいの、まじめそうだが少し神経質そうな男の人だった。
そういえばこの人、数日前から、何回かボクの前に来て、ボクとボクの値札とをじろじろと見てたっけ。
ボクは大きな紙袋に入れられて、この男の人の手に・・・。
ゆさゆさゆられてどさっと、机の下に置かれたみたいだ。
会社の定時退社の鐘が午後五時半になると、この男の人は帰り支度をして
ボクの入った紙袋を持って、そそくさと階段をおり、駐車場に出て、
ボクは、車の助手席に乗せられた。40分位は乗っていたかなあ~。
どこに着いたかというと、まあ小さくてオンボロな家だ。
この男の人が、小さな低い声で
「ただいま~」と玄関の古いドアをギシギシっと開けると、
「おかえりなさい」っと二十歳ちょっと過ぎた位の女の人が出てきた。
???これは、この男の人の妹さんか?奥さんか???
「ほら、これ。」
「?」
「お前、丑年だろ。結婚したばかりで、俺が会社に行くと昼間は一人でさびしいだろ・・誕生日近いし・・」
ボクはガサガサッと袋の外に出された。
「うっわ~、カッワイ~イ!!」
ボクは、この若い奥さんにギュギュっと抱きしめられた。
こんな風にして、ボクは新婚家庭に飛び込んで、今に至っているというわけ。
最初、ボクには名前が無かった。
この家の旦那さんが「牛さん」とか、奥さんが「モーモちゃん」とか言って
名前のようなそうでないような名前がついていたけどね。
それから数年たって、所沢から川越に引っ越した。
引越しのトラックに牛づめ(ぎゅうづめ)にされて運ばれたっけ。
川越の家は、前の家より、少し大きな家だ。
川越に移って少し落ち着いたころ、ボクを荷物の中から取り出してくれた。
奥さんは言った。
「これから、川越で頑張っていくんだね・・・川越っていったら川越芋かあ」
しばらく、ぼくをじっと見つめて、
「君も今日から、芋になるっかあ~。芋チャン!芋君!牛いも君!いもーもチャン!・・・」
どれも奥さんにはしっくりいかないみたいで、ちょっと考え込んでいたが、
「ぽてと君っていうのはどう?・・・ウン、カワイイね。決まり!決まりよ!」
そして、ぼくを高々と上げて、
「今日から川越で一緒に頑張っていく、ぽてと君です!」
奥さんは、ボクを最初に見た時と同じように、ぎゅぎゅっと抱きしめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回からは、所沢の家での話を何回かに分けてお話していこうと思っています。
次回更新は、間があきますが、八月末の予定です。
良かったら、また見に来てくださいね。
連日、ボクの部屋は、36℃ですう~。
ばててばかりもいられないので、この暑さともうまくつきあって、頑張って過ごしてます!
さて、今日お話するのは、
ボクがどうしてこの家にきて、なぜ「ぽてと」なのかということでしたね。
では、始めます。
第一章 ぽてと誕生
今、ボクは川越市に住んでいます。
でも、最初からここにいたわけではなくて、
昔は所沢に住んでいたんだ。
所沢にいたころに住んでいた家は、築二十年位のトタン屋根の木造の平屋だった。
四畳半と六畳と小さな台所と小さなお風呂場とトイレがあったっけ。
今時はもう高層マンションや格好の良いアパートが主流になって、ああいう家は見られなくなったけどね。
窓も木枠でぎしぎし言って、すきま風も平気で入り込んでくる家だったなあ。
ボクはこの平屋に来る前は、とある会社の購買部の狭い陳列ケースの中にいたんだ。
購買部には毎日毎日、パンやら飲み物やら、文房具やら、社員さん達がひっきりなしに買いに来て、
その様子をみてるだけでも面白かったなあ。
たまにこっちを振り向いた二十歳位の娘さん達が
「ねえ、あれ、見て見て!」
「うわあ~、カワイイ~」とこっちに寄ってきてくれるけど、
「あ、もう時間時間」とすぐに行ってしまう・・・。
そんなある日、購買部のおばさんが陳列ケースの鍵を開けて、ボクを取り出した。
びっくりしたなあ~。
レジのところに持っていかれて、どんな可愛い娘さんに買われていくのかと思いきや、
なんと目の前にいたのは、30ちょっと過ぎたくらいの、まじめそうだが少し神経質そうな男の人だった。
そういえばこの人、数日前から、何回かボクの前に来て、ボクとボクの値札とをじろじろと見てたっけ。
ボクは大きな紙袋に入れられて、この男の人の手に・・・。
ゆさゆさゆられてどさっと、机の下に置かれたみたいだ。
会社の定時退社の鐘が午後五時半になると、この男の人は帰り支度をして
ボクの入った紙袋を持って、そそくさと階段をおり、駐車場に出て、
ボクは、車の助手席に乗せられた。40分位は乗っていたかなあ~。
どこに着いたかというと、まあ小さくてオンボロな家だ。
この男の人が、小さな低い声で
「ただいま~」と玄関の古いドアをギシギシっと開けると、
「おかえりなさい」っと二十歳ちょっと過ぎた位の女の人が出てきた。
???これは、この男の人の妹さんか?奥さんか???
「ほら、これ。」
「?」
「お前、丑年だろ。結婚したばかりで、俺が会社に行くと昼間は一人でさびしいだろ・・誕生日近いし・・」
ボクはガサガサッと袋の外に出された。
「うっわ~、カッワイ~イ!!」
ボクは、この若い奥さんにギュギュっと抱きしめられた。
こんな風にして、ボクは新婚家庭に飛び込んで、今に至っているというわけ。
最初、ボクには名前が無かった。
この家の旦那さんが「牛さん」とか、奥さんが「モーモちゃん」とか言って
名前のようなそうでないような名前がついていたけどね。
それから数年たって、所沢から川越に引っ越した。
引越しのトラックに牛づめ(ぎゅうづめ)にされて運ばれたっけ。
川越の家は、前の家より、少し大きな家だ。
川越に移って少し落ち着いたころ、ボクを荷物の中から取り出してくれた。
奥さんは言った。
「これから、川越で頑張っていくんだね・・・川越っていったら川越芋かあ」
しばらく、ぼくをじっと見つめて、
「君も今日から、芋になるっかあ~。芋チャン!芋君!牛いも君!いもーもチャン!・・・」
どれも奥さんにはしっくりいかないみたいで、ちょっと考え込んでいたが、
「ぽてと君っていうのはどう?・・・ウン、カワイイね。決まり!決まりよ!」
そして、ぼくを高々と上げて、
「今日から川越で一緒に頑張っていく、ぽてと君です!」
奥さんは、ボクを最初に見た時と同じように、ぎゅぎゅっと抱きしめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回からは、所沢の家での話を何回かに分けてお話していこうと思っています。
次回更新は、間があきますが、八月末の予定です。
良かったら、また見に来てくださいね。