悪くない奴らが成功するには、クリスマス祭を理解することです
3回に亘って、イエスの生誕・聖誕・降誕に関する記述をしましたが、今回はクリスマス祭の由来に関して簡単に記述しましょう。
クリスマス・ソングがあちらこちらの町並みで聞えてきますが、ご存知のようにクリスマス祭はキリストの生誕を祝う儀式です。しかし、聖書にはそのお祭り(降誕祭)に関しては一切記述されていませ。 古代のローマ帝国においてイエス・キリストに関してのお祭りは聖書を元に、イエス・キリストの復活祭(死と復活)が重要視され、イエス・キリスト生誕に関してのお祭りは行われていませんでした。
しかしながら、紀元4世紀のころ、ローマ帝国におけるサトゥルナリア祭(農神祭)そして冬至との関係で降誕祭がキリスト教会で正式に取り入れられたと云われています。
サトゥルナリア祭は、ローマ神話から発しています。主神ユピテル(ジュピターまたはゼウス)は、前主神サトゥルヌス(サターンまたはクロノス)を倒して 主神の地位を得ますが、ユピテルはその後、サトゥルヌスを封印したとされています。
しかしサトゥルヌスはユピテルが年末一週間(12月17~23日)休む間だけ解放されるとされ、この一週間ローマの人々は祝福するお祭りをしました。
更にローマ帝国において太陽信仰のミトラス教の休日(太陽が甦る日)が12月25日でもあったのです。当時のキリスト教は当初迫害されていたのですが、徐々に勢力を広げ続けてきていたために、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世が、国民の反乱を恐れ、ミトラス教の祭日を取り込むことにしたのです。
また、この頃、ヨーロッパ全土へと進出していたローマ帝国は、ゲルマン人(狩猟と牧畜)がローマ帝国の兵隊の多くを占める様になってきて、北欧を中心にユール祭(冬至祭)が行われていました。12月25日前後を冬至として盛大な祭りがあり、この祭日がクリスマス祭となったのです。
更に最盛期を過ぎていた皇帝コンスタンティヌスが、313年にミラノ勅令で勢力を増していたキリスト教を公認させています。
この時、よく知られるアタナシウス派が主張していた父と子を一体とする教理や復活祭 (イースター) の日付の計算法が決まったのですが、それと同時に、冬至が12月25日でしたのでキリストの降誕祭 (クリスマス) の日が決定したのです。
太陽は人間との生活に深い関係があり、冬至の時期にクリスマスが決まったことは、クリスマスが世界に広がるきっかけでしょう。そして現代のお祭り騒ぎ的なクリスマスは、身近な生活に関わる農耕や太陽、冬至に関連したサトゥルヌス祭やユール祭などのお祭り騒ぎに回帰していると言えるでしょう。
サンタクロースの話
さてサンタクロースの起源は、聖ニコラスと云われていますが、正確な年代ははっきりせず、 270年頃の時代、異端となったアリウス派と戦った聖人です。
以下はウキペディアからサンタクロースに関して取り出しました。
「ある日ニコラスは、貧しさのあまり、三人の娘を嫁がせることの出来ない家の存在を知ったのです。そしてニコラスは真夜中にその家を訪れ、屋根の上にある煙突から金貨を投げ入れました。この時暖炉には靴下が下げられていたため、金貨は靴下の中に入っていたと云われ。この金貨のおかげで娘の身売りを避けられたのです」という逸話が残されています。この逸話が由来となり、「夜中に煙突から家に入って、靴下の中にプレゼントを入れる」という、今日におけるサンタクロースの伝承が生まれたのです。
また、ニコラオスは学問の守護聖人として崇められており、アリウス異端と戦った偉大な教父でもあったのです。キリスト教会では聖人として列聖されているために、「聖(セント)ニコラス」という呼称が使われています。これをオランダ語にすると「シンタ・クラース」で、オランダでは14世紀頃から聖ニコラスの命日の12月6日を「シンタ・クラース祭」として祝う慣習があったのですが、その後、17世紀アメリカに植民したオランダ人が「サンタ・クロース」と伝え、サンタ・クロースの語源になったようです。
クリスマス・ツリーの話
クリスマス・ツリーに関しては、キリスト教布教に当たって、当時ヒイラギなど常緑樹を飾ったり、プレゼントを贈ったりの風習が、クリスマス祭に取り込まれたとされています。
また古代ローマではモミ材で船を作ったので重用され、これらの常緑樹を飾る風習がクリスマスにクリスマスツリーを飾る習慣になったとされます。
さらに起源地とされるドイツ地方では、古くからキリスト教にとって異教による樹木信仰があり、常緑樹であるモミの木を象徴、クリスマス祭はそれらの地域の風習を利用して取り込んで行ったようです。現在に繋がるクリスマス・ツリーはドイツで15・6世紀から広まり始め、17世紀では各国に広がるようになったのです。
さて、なぜ悪くない奴らが成功するために、クリスマス祭を理解しなくてはならないのでしょうか?
それは、イエスが生まれていなければ、西暦の暦が無かったでしょうし、私達に自由を与えてくれなかったんではないのでしょうか。西洋に歴史はイエス・キリスト、即ちキリスト教が元となって創られてきました。そのことを理解してください。