"FOR THE CUSTOMER"

創業120年の建設会社「今西組」の六代後継者が あなたの”いいね”を築く!

假屋崎省吾氏と西新宿と通勤ラッシュ

2008年05月09日 09時20分54秒 | Weblog
華道家の假屋崎省吾氏が、西新宿の三井ビル前の広場で、通勤客をターゲットに、巨大な生け花を披露していた特集を、NHKで放映していた。
http://www.nhk.or.jp/tamago/program/20080508-2_doc.html
朝七時半に完成。
以後、続々と通勤のサラリーマンやOLが前を通り過ぎる。
たいていの人は、立ち止まらない。
生け花すれすれを歩き、腕を枝にこすりながら、なんとも思わないような顔で歩かれるおじさんもいる。
ちょっと振り向き、すぐコンクリートの土間に目線を戻す。
中には、あることさえ、気付かない人も。

出社途中に、花をみて世界平和を共感できる人はそういないのかも知れない。
頭はもはや仕事モード、始業前に準備がある、だからこそ早めに出社するのだろう。
私も同じである。

その通勤時間の様子を、階段の上から、假屋崎省吾氏がずっと眺めているのが、映像で流れていた。
彼(?)はとても寂しそうだった。

西新宿という場所が、そうさせたのか。
代官山や青山だったら、どうだっただろう。
ネパールの首都、カトマンズの大通りだったら、どうだっただろう。
ケニアのサバンナ、マサイ族の集落近くの道路脇だったら、どうだっただろう。

「おそらく、平和を訴えているのではないでしょうか。」
インタビューで、唯一、製作者の意図に、答えてらっしゃたのは、サラリーマンではなく、通りがかりのおばさんであった。

p.s.花はなぜ、きれいに咲こうとするのだろうか。






設計事務所、建設会社、「におい」も創ります

2008年05月08日 19時38分37秒 | Weblog
最近当社で竣工させていただいた建物で、青森ヒバがたくさん使われていたのがありました。
本日、その園を訪問した際、保育園の関係者の方からこういうことを言われました。
「たくさんの保護者の方が、「子供が家に帰ってくる度に、木のいいにおいがするんです。青森ヒバのにおいですよね!そちらの園に通わせていただいて良かったと思ってます」とおっしゃいます。」
お客さまを通して、その先の方々に喜んでもらえるような仕事に携わること。
設計事務所の方々、現場所長ほか、当工事に携われた当社の方々、お疲れ様でした。ありがとうございました。

今西組と職人気質、「シェルパ」と「アピール」

2008年05月07日 18時01分20秒 | Weblog
◇本日、数件のリフォーム案件でアポを取っていたので、外に出る。
最高気温、26℃、快晴。
電車に乗っても、歩くときも、自然とスーツの上着を着なくなった。
ふと、ウズベキスタンとドバイで営業している日本の商社マンの友人が頭に浮かんだ。
40℃をゆうに超える世界での営業。
本当に、彼はお客さんと会うときに、上着を着なおすのだろうか。
お客さんに、したたる汗をだらだら魅せるのと、
既知のマナーに別れを告げ、お断りを入れて脱ぐのとーー
「ここは日本だから」と我に返り、意外に古い頭の私は、現地に近づくにつれ、上着を着なおす。

◇リフォームや修繕の依頼があると、我々ゼネコンは、訪問の際、協力業者、つまり番頭の職人さんを調査目的で同行してもらう場合がある。
職人さんは、本当に熱心で、本当に一生懸命だ。
ときに、本来の発注者そっちのけで、測量や調査を黙々と遂行してしまう。
「そんなにいうんだったら、この工事、お願いします!」
昔ならば、馴れ合いで頼んでもらえる、そんな風景が不自然ではなかったと、その番頭さんはいう。
だが現実は、事業主に、財布のヒモがゆるい方など、いない。

◇番頭さんは、いかにすれば工事を納得してもらえるかの交渉術を、体で覚えている。きっと、体に染みこんでいるのだろう。
ときには過剰になるものの、そういったパフォーマンスを含めた「職人気質」の原点に触れていて、
数年前に訪れたとき、ヒマラヤのトレッキングで出会った、
ネパール人のシェルパを思い出した。

◇「シェルパ」とはヒマラヤの登山案内人である。
彼らは地図を持たない。
だが堂々と先頭を行く。
経験で語るシェルパ、経験でしか語れないシェルパの説得力。
シェルパは言った。
「山に入ったら、たとえどんなに偉い人でも、登山中は、みんな一緒さ。」

◇職人さんには、職人さんにしかできないアピールがある。
当然、気持ちで訴える「理屈ぬきの」意気込みである。
当社は、その力に「おんぶにだっこ」、ただ借りて、そのままお客さんにアピールしようとする傾向が、たまに見受けられる。
それは当社として、ゼネコンとしての、本来のアピールの仕方ではないように思う。
お客さんが当社に求めているサービスとは?
お客さんが、本当に困っていることを見つけ出すこと?

◇新築にせよ、リフォームにせよ、事業主の「やる!」の決断には、どちらも非常に勇気のいることである。
いずれにしても、ご判断のお手伝いになりえる技術的サポートや助言、工事見積等を提供することの積み重ねによって、「いつも助かるわぁ!」と言っていただきたい、ただそれだけ。

◇当社の仕事は、海外だけでなく、宇宙規模で、と言いたいところだけれど、
現実には、内需においても、そうそうブランドとしての「ネームバリュー」があるわけではない。
110年やってようが、それが現実。
そのなかで、
「こういうことするの、今西さんだけだよ、ほんとに」
そう、協力業者さんに言ってもらえることというのは、本当に救いである。

◇くりかえすようだが、
「いやー、そんなに言われたら仕方が無い、今西さんには負けますわ」
協力業者にこういわれて、作業にとりかかってもらうこと、このうえなく多い。
さらにいえば、
「いやー、そんなに言われたら仕方が無い、今西さんには負けますわ」
エンドユーザーである顧客にこういわれて、いざ受注できるようにならなくてはいけない。
当社の「アピール」力を、もっと高めていかなくてはならない。


シェルパは言った。
「山に入ったら、たとえどんなに偉い人でも、登山中は、みんな一緒さ。」
いつか、こう、言ってもらえますように。
「山を降りたら、今西さん、少し話があるんだ、いいか?」


一級!

2008年05月02日 11時57分11秒 | Weblog
一級建築士の受験人数が減っている。
10年前に比べれば半分。
もちろん合格者数も減っている。
現在資格をもつのは32万人(これを多いと見るか、少ないとみるか?)。
建築士制度は元総理大臣の故田中角栄氏がつくり、自らが一級建築士の第1号となっている。また、先程の32万という総数については、亡くなってしまった方がどれくらいいるか判らず、実際何人の建築士がいるか、国も判っていないのが実状という。
国土交通省から出されているデータによる一級建築士の数を見てみると、平成18年時点で約32万人。年齢別で60歳台は約106,000人、50歳台約101,000人、40歳台約66,000人、30歳台約47,000人、20歳台何と約2,000人となっている。一級建築士平均年齢は56.2歳!この数字を見るとお解りのように、後10年もすると毎年3,000人弱増えても現役で働いている一級建築士は(20~50歳台) 14万人余りとなり、今の約1/3になってしまう。
今後、受験者数は、少子化と、次年度からの試験内容の変化(国交省指導)による難解化により、ますます減るんじゃないかと思われる。
私の通っていた大学の建築学科に関していえば、建築業界以外の就職先にすすむ学生が急増しているという。
現在の学生が、売り手市場を背景とした先見力に富んで、建築業界以外の就職先を選んでいるかどうかはともかく、
当社が200年企業として継続するために、
まずは、私が、とらなくてはなりませんね。
わかっているんですけどねえ。

「「土用」までに」、200年企業(その1)

2008年05月01日 18時49分52秒 | Weblog
「「土用」に入るまでに着工してね!」
あるお客さんが、私にこうおっしゃった。
東京は恵比寿のテナント。
おすし屋さんの店舗内装。
「土用」といえば、真夏に鰻を食べるきっかけの時期、という認識しかなかった。
まだまだだと思った。
「えー、なんのことでしょうか」
「建築やってる方だったら、当然知ってるはずだって友人が言ってます、明日から着工よろしくお願いします」
私はお客さんにとって、その瞬間から「建築をやってない」人になってしまった。
「土用」の定義とは、本来「土旺用事」「土王用事」といい、土の気が旺(さかん)になり事を用いる意であるという。
用は「はたらき」ということで、土気の最も働く期間ということになる。
土用の期間中は、土公神(土をつかさどる神)なる神様が支配するといわれ、土を動かすこと、つまりは造作、井戸掘り、壁塗りなどいっさいが凶とされた。
また、理科年表によれば「太陽が黄経27度、117度、207度、297度になるとき」と定義して、四季の土用が記載されている。
四季?
土用とは、春夏秋冬の四回あり、合計73日に及ぶようだ。
この期間、一切土を動かすことができないとなれば、非常に不便だ。
だがそれは昔の話。
「土用に入る前に、少しでいい、工事を始めて欲しかったのよ」
そのお客さんは、笑顔を浮かべながら、あとでそうおっしゃった。
春の土用--
オープンをまもなく迎える、おすし屋さんのげんかつぎ。

当社が今後創っていくべき「顧客満足」とは、多様性が求められること必至なのかも知れない。
それが「200年企業」の成長と持続の条件の一部であるように思う。
ともかく、さてと、鰻を食べに行こうかな。
どなたか、一緒に、行きませんか?