先日お話しした「気を付けていてもどうしょうもないのが、「老い」、「認知症」、「癌」と書いたが今日は「癌」を取り上げる。
ほん最近でも元プロ野球の選手、監督をしていた大沢啓二さんが胆のう癌、女優の池内淳子さんが肺腺癌で亡くなられた。二人とも70歳代であった。
今の若い者はこの二人は名前は知っていてもそう親しみは無いかもしれない。私はほぼ同じ年代で、野球は夢中になっていたこともあって、特に大沢監督の個性豊かな行動には注目させられていた。また女優の池内淳子さんにはどっしりとした名演技にほれぼれとしたものだ。
だから非常の身近に感じてしまうし、最近元勤めていた会社での先輩で、今は年に1度集まってカニを食べに日本海に行く仲間であった人がやはり癌で亡くなっているので、なんとなく迫られているような感さえする。
最近の癌に対する治療技術は素晴らしい発展を遂げているように思うのだが、それでもまだ上記のように生命を奪っていくことが多い。
先日の毎日新聞に「高額化する癌医療費。解決策は?」という題で国立がん研究センターの理事長さんへのインタビューが載っていた。
いくら治療技術が進んでも、高額化する癌医療費に苦しみ、金か命かの選択を迫られる人も少なくない。というがそれでは何の意味もない。
理事長は「これまでは癌治療のグランドデザイン(全体設計)を考える人がいなかった。これからはこのセンターがそれを担っていくことが考えらえる。例えば国内での薬の承認が海外より遅いドラッグ・ラグを解消したら薬剤費がどれぐらいかかるかを調べた。
国内で延べ42種類の未承認薬、適用外薬を使えるようにした場合、4万6000~12万人の患者が新しい薬を使える可能性があり、薬剤費は1840億円で医療費の0.5%位で、そんなに増えない、これを全部保険適用しても「医療費亡国論にはならない」という。
その他「治療が科学的に適切かを検証すための相談窓口をつくる」「癌治療の均てん化(標準化)のために全患者を対象にがん登録をする」といった策が話されていたが、すべて待ち焦がれること。早々に実現することを祈り、願うしかない。