ブナの中庭で

ようこそブナの中庭へ!大好きな登山や山スキー、環境問題や自然のことなどいろいろ綴っています。

「凍(とう)」 (沢木耕太郎著)

2008年12月06日 | 山の本
ギャチュンカンに挑戦するプロセスが克明に描かれ、終始自分も一緒に歩き登っているような感覚になり、緊張感あふれる読書でした。
(そんな難峰にいけるはずもないのですが‥‥)

雪崩に襲われ滑落もし、極寒による凍傷のため、夫妻は手と足の指をほとんど喪失してしまいます。
しかし二人は山を諦めることなく、もういちど原点から再出発をします。

「最初、クライミングを再開したばかりのときは、クライマーとして赤ん坊同然だった。ところが、しばらくやっているうちにクライミングの幼稚園児くらいまでになっている自分を発見した。そしてさらにやっていると、いつの間にか小学生になっていた。とのとき、山野井は理解することがあった。自分はクライマーとしての人生をもう一度送りなおしているのだなと。」

私も4月に左膝の前十字靭帯を断裂して再建手術を受けたあと、歩行から始まって、簡単なハイキング、登山、そしてクライミング(といっても超初級ですが)と復活していくのが嬉しく、同じことを感じました。

山野井夫妻はギャチュンカンから5年後の2007年、グリーンランドで標高差1300mの岩壁に挑戦し、17日かけて登頂に成功しました。(NHKテレビでも放映されましたね)
お二人の再出発と挑戦に、深い感動です。

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