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諫早湾の干拓問題

2010年04月15日 | 環境問題
諫早湾干拓、覚えておいででしょうか?
諫早湾は面積約65km²、北西部に多良岳山系、南部に島原半島と、南北から山に挟まれる水域。長崎県諫早市・雲仙市、佐賀県太良町に面し、北東部は有明海に繋がっています。

国による諫早湾干拓事業が開始されたのは1989年。
1997年には諫早市と雲仙市に跨る約35km²の海域が締め切らました。これを称して「ギロチンが下りた」と言います。

その後の堤防内は干潟の乾燥化と調整池内の淡水化が進み、干潟の生物が徐々に死滅していきました。
水質汚染が進み悪臭公害が発生、有明海全体にも汚染被害が及んでいるとの報告もあります。
なお締め切り堤防(ギロチンですね)の上には諫早湾干拓堤防道路が作られ、2007年に開通しました。

【日本経済新聞より抜粋紹介】
4月14日赤松農水大臣は、佐賀、福岡、熊本3県を回り、各県の知事や漁業関係者と意見交換をし、「今夏に開門の是非を判断する」と表明。開門する場合、「少なくとも環境アセスメントは1年間行う」とのこと。

熊本県の蒲島郁夫知事は「開門による影響を不安視する人はたくさんいる。不安を解消するため、しっかりした環境アセスメントを実施して開門調査を進めるべきではないか」。
福岡県の牛尾長生副知事も「開門してほしいが環境アセスは絶対にしてほしい」と要請した。
【以上、日本経済新聞より抜粋】

閉門されて1年後、現地を訪れました。
干潟特有のきめ細かい粘土が干上がり、亀裂が入った粘土板になっていました。その表面にはおびただしい数の死んだ貝。
ムツゴロウは水を求めて深く潜っていたのでしょうか、姿を見ることはありませんでした。

その悲しい現状を撮影しようとした時、「監視員」の人が近づいてきて「誰だ?撮影するな!」と激しく叱りとばされました。
いまはただ豊饒の海諫早湾が命を吹き返しますよう、願っています

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