地質図(下図)までもとは言いませんが、少々の地学的知識を頭に入れて登山すると、楽しいことにイッパイ出会えますよ。
先日歩いた奥穂高岳~西穂高岳のコースを例にお話しましょう。
登りは新穂高温泉から白出沢。ここの上部はゴロゴロの岩が穂高岳山荘まで続いています。
これは閃緑岩、マグマが起源で深い地中でゆっくり冷えて固結した「深成岩」です。
コルに建った穂高岳山荘から奥穂高岳へ登り、西穂高岳への縦走ルートに入りました。
まもなく、岩相が激変します。それまでのブロック状の岩石から、層をなしており薄く剥がれやすい岩に変わります。
この平らな面が西穂側に傾き、特に下りとなる「奥穂→西穂ルート」の場合は、なかなか歩きにくいです。
なぜこのような岩石に?
それは「安山岩」という岩石にヒミツがあります。
安山岩はマグマが地表に流出し外気にふれて急冷されたときにできる岩石です。その冷却の程度が強いとき、冷却方向(つまり地表から内部へ向かう方向)と垂直に鉱物が固結した結果、鉱物が一定方向に並び、板状に剥がれやすい岩石が形成されました。
こんな斜面は、下るより登るほうが安全でしょ
岩石の面が「登り」となるのは、西穂→奥穂の場合です。
ぜっかく山に登るのなら、岩石や形成時代などをすこ~し頭にいれておきませんか?
より一層楽しめること、間違いありません!
しかし、なかなかそこまで頭が回らない。
高山植物すらうろ覚え。