ブナの中庭で

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八ヶ岳連峰・旭岳東稜(後編)

2012年12月25日 | アルパインクライミング
12月23日朝6時15分に赤岳沢出合小屋を出発し、小屋の上流で権現沢右俣へ入ります。まもなく右手に派生してくるのが旭岳東稜、すぐの小さなルンゼを登ることにしました。
やがて空が明るくなり日の出、素晴らしい快晴に恵まれました。山の神様に感謝です。

ルンゼからひと登りで東稜に乗り上げ、樹林の尾根を順調に高度を上げていきました。
所々急な段差や岩壁がありますが、ほとんどが問題なく巻くことができます。安全のため一カ所だけロープを出し懸垂しました。



前日の22日は南岸低気圧通過のため八ヶ岳でも降雪がありました。お蔭で樹氷がキレイ~!
でも硬く凍った根雪の上にフカフカの新雪が30cm程積もって、なかなか歩きにくかったですが。


そして見えてきたのが旭岳東稜の核心部「五段の宮」!
岩峰が5段に続いています。


二段目まで直上するルートもできますが、一段目の岩場基部から左にトラバースし(1ピッチ)、雪壁と潅木のミックスを2ピッチ登って稜線上に出ることが一般的。
私たちもそうすることにしました。

1ピッチ目のトラバース。

(写真提供:浅瀬さん)

ここは特に問題なかったのですが、2ピッチ目からは凍った壁(草、岩、氷、雪のミックス)にバイルを突き刺して登ります。


写真:一番難しい3ピッチ目のスタート地点。颯爽とリードに入る横田さん。

ここで私は激しく後悔。これほど厳しいクライミングがあることを知らず、手に持っているのは縦走用のストレートシャフトの長いピッケルとバイル。あぁバイル2本で来るべきだった‥‥。前夜に五竜岳から旭岳東稜へ急に変更になったとはいえ、事前リサーチすべきでした。
しかし登るしかありません。ロープでフォローしていただきながら何とか3ピッチ目終了点へ到着。

ここからは高度感のある細い雪稜を40m、さらに岩壁の下部を左上すると旭岳山頂に飛び出ました。

しかし五段の宮を抜けるのに時間がかかり(4人パーティでロープ1本が原因)、山頂到着は17:20と暗くなっていました。しかも激しい風と吹雪です。

GPSを頼りに主稜線を北上しツルネのピークからツルネ東稜を見つけました。ここでは風も収まり樹林の安全地帯。やれやれ。
ヘッドランプの明かりで小屋まで下り、小屋到着は21:05。大変遅くなりましたが、なんとか無事に旭岳東稜を登ることができ大満足。

翌12月24日は小屋を出発し美し森に戻り、泉温泉健康センターで温泉につかり金沢へ戻りました。
同行のめっこ山岳会の浅瀬さん、横田さん、内島さん、ありがとうございました。

4 コメント

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おかえり! (morimiki)
2012-12-26 08:02:06
長い行程、おつかれさまでした。
読んでるだけなのに私まで疲れました。
それでも素晴らしい景色に出会えた事、同行の方々と一緒に頑張る事ができた事、よかったですね。
さあ、今週末はのんびり楽しみましょうね。
のんびりしすぎると、Repuさんにしかられるかな?
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Unknown (ノルベルト)
2012-12-26 10:26:14
面白そう!無事に帰ったよかった。
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morimikiさんへ (Repu)
2012-12-26 21:39:21
行動時間が15時間、なぜこれほど長くなってしまったのか、激しく反省しなければならないです。
今週末楽しみにしています。どうぞよろしく!
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Hi, Norbert (Repu)
2012-12-26 21:43:33
If you were with us, the climbing might be shorter in the time and easier.
It is possible to enjoy the ice-climbing and mix-climbing in Yatsugadake area because there are many interesting routes there. Shall we go togerher again?
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