ブナの中庭で

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NHKスペシャル「クニ子おばばと不思議の森」

2011年09月25日 | いろいろ
9月25日21:00から放映された番組。
普段ほとんどテレビは見ないけれど、新聞の番組欄で目に留まり見ました。
見終わって、私たち日本人が忘れてしまったことの大きさを感じています。

【番組のあらまし】

主人公は宮崎県椎葉村に暮らす87歳のおばあさん。
日本でただ一人、焼畑を守っています。



前の年の秋に雑木林を切り、翌年夏のある日に火入れ。
その後まもなくに蒔くのはソバ。2年目は稗、3年目にはすでに育ち始めたナラ類の木陰で小豆、4年目は大豆。蒔かれる種は全て先祖代々受け継がれたもの。焼畑で収穫が上がるよう長年かけて選種された貴重な種です。

5年目以降は種蒔きは行わず自然に還します。そして10年も経てば立派な森に戻っていきます。
クニ子おばばの山で焼畑は30年ごとに行われ、自分の森に順番に火を入れていくのです。

日本の各地で、焼畑は4000年前から昭和20年代まで、延々と行われてきました。
焼畑は森を壊すものではなく、若返らすもの。
雑木林は火が入れられても、焼けた株からしっかり芽をふきます。しかし樹齢30年を過ぎると、萌芽の力は急激に衰えるのです。

また森に暮らす昆虫や火入れの時には土にもぐり、生き延びています。森は焼畑で決して死ぬわけではありません。


【あらましはここまで】

焼畑がうまく焼ければ、森は4年間の豊かな恵みを保障してくれる。化学肥料(多くが石油などを原料につくられるもの)は必要ありません。
素晴らしい循環、持続可能な農業。この番組を見て、焼畑への認識を新たにしました。よい番組を見ました。

NHKスペシャル「クニ子おばばと不思議の森」のサイトはこちらへ



4 コメント

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私も見たよ (morimiki)
2011-09-26 07:41:38
毎日自分の山で空を見たり、風を感じたり、少し憧れる生活。でもゆるゆるの暮らししか知らない私にはとても厳しい生活です。
家の狭い狭い畑でも焼き畑やってみたくなりました。でも住宅地の真ん中で野焼きはだめなんだろうなあ。
ミョウガだけは毎年太いのがとれる害虫だらけの畑です。
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私も見ました (ミキコ)
2011-09-26 12:31:10
この番組は私も見ました。菅原文太さんがカタツムリ役でナレーションをする…、とても良かったです。キノコの話も印象的でした。菅原さんを大きな山ではなく小さなカタツムリにしたのが良かったと思います。小さきものに神は宿る…、そんな印象を受けました。小さきもの…菌やバクテリア、あるいはミネラルの中にさえ…。田崎和江教授が研究されているもののように…。
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morimikiさんへ (Repu)
2011-09-26 19:49:20
町中の畑で野焼き、しないでね~火事になっちゃうよ。
でも気持ちはすご~くわかります。私も我が家の雑草を刈り乾燥させて火入れしたくなりました。
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ミキコさんへ (Repu)
2011-09-26 19:51:04
番組で菌糸が伸びキノコが育つシーン、感動しました。バクテリアは写らなかったけれど、あの焼畑の土の中では様々なバクテリアが大活躍しているのでしょうね。
コメントありがとうございました!
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