錫杖岳前衛フェースP4直上ルート

山の会の大先輩Iさんから、錫杖岳前衛フェースP4直上ルートへのお誘いを頂きました。
８ピッチ、４級、６時間、最高グレードは５、Ａ１（アブミルート）とのこと。
嬉しいなぁ。もちろん喜んで参加です。

前夜は新穂高温泉手前の駐車場でテント泊。翌朝は５時30分出発。
槍見温泉から笠ヶ岳へ登山道を登り、クリヤの岩小屋で三ルンゼ押し出しルートに入り、取付き点へ。

この日は快晴。「岩の殿堂・錫杖」の名の通り、屹立した壁が現れました。
中央は前衛フェース、右のピークがＰ４．ここの向かって右の肩に直上するルート。


ところが行ってみると、取付き点が分からない。
３人で散々探し回ったが、わからない。
ルート偵察もかねて、尾根から登り始めました。写真は華麗にリードするIさん。
（後になって、正規ルートはもうすこし右側のクラックであることが判明しました。）


３ピッチ目（と思った部分）は傾斜の強いルンゼ（写真左手）。
ここでも勇気あるIさんがリード。

しかしこの上部で行きずまり、ルンゼに泥が溜まって登れない状態であることから、懸垂で戻りました。

その後は左小フェースを右上して小ハングを超すピッチ、ハング大好きのＳさんが華麗にリード。
さらに凹角からハングを超え左上するピッチ、ここでもＳさんリード。
ルート情報が分からない中、リードするのって、大変な勇気と思います。もちろん支点はほとんど無く、カムやナッツを効かせて登るわけです。

最後はもろいチムニーを直上する４５ｍピッチ、ここでようやくへなちょこリード（もどき）をさせていただきました。（ホント下手ですね）

終了点で振りかえれば、焼岳～西穂～奥穂～槍が大展望。感激！

本当に雲一つない青空でした。気持ちいいなぁ～



下りは懸垂５ピッチ。まっすぐ降りたらようやく、正しい（と思われる）直上ルートがわかりました。

錫杖は左方カンテ、注文の多い料理店、１ルンゼ、３ルンゼを除くと、ほとんど登られていません。トポ図を見て登ろうと思っても、なかなかルートを発見できず苦労することも多いそうです。
今回はルートを見つける訓練にもなりました。

Ｉさん、Ｓさん、どうもありがとうございました。