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深海地球ドリリング計画

2009年12月01日 | サイエンス
予算の無駄を洗い出す行政刷新会議の「事業仕分け」が終了しました。
借金大国にもかかわらず、国の予算にいかに無駄があり放置されてきたか、広く公開されたことは意義深かったと思います。

さてこの作業の前、「深海地球ドリリング計画」が事業仕分けに乗せられると知り、一人で心配しておりました。
こんな地味な研究は、おそらく理解されないだろうなぁ、と。
「どんな利益やメリットがあるのですか?」なんて質問されたら、どうなっちゃう‥‥?

さて「深海地球ドリリング計画」とは、JAMSTEC(海洋技術センター)が主体となって行われている事業。「地球深部探査船ちきゅう」で深海底を直接ボーリング調査します(図:JAMSTECより)。



深海掘削計画は今から40年以上前の1968年に開始され、プレートテクトニクスの実証や、古環境の立証などの成果をあげました。
後に国際深海掘削計画(ODP:21ヶ国参加)に引き継がれ、米国の深海掘削船ジョイデス・レゾリューション号を用いて2003年まで研究が続けられました。

その後は日本の「ちきゅう号」と米国の掘削船との2隻を用いた「統合国際深海掘削計画(IODP)」へと引き継がれてきたのでした。日本は米国と共に主導的な役割を果たす、壮大で挑戦的な国際科学プログラム

ボーリングによって得られる岩石や堆積物などの試料や、長期孔内計測により、地震発生メカニズムの解明、生命の起源、地球環境変動が解明されてきています。

地球科学を仕事にしている私としては、ぜひとも継続してほしい事業でした。
そして‥事業仕分けの結果は、予算(108億円)の1~2割削減。
ひとまずゼロにならなくてヨカッタ~と思うべきなんでしょうかねぇ。

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