ブナの中庭で

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山本良一先生の講演

2010年03月03日 | 地球温暖化・地球高温化
山本良一先生は、20分という短い時間で、私達が目指すべき方向を明確に示してくださいました。
本当に明瞭な講演でした。そのダイジェストをお伝えします

(1)1970年~2000年の30年間、世界経済は「成長の限界」のシナリオで進行し、2000年~2005年、世界の温室効果ガス排出量はIPCCの最悪シナリオで進行した。このままでは気候変化による大災害が数十年以内に起こることが懸念される。





(2)世界の平均気温の上昇が産業革命前と比較して2℃を突破するのは既に不可避の情勢となっている。このままでは2060年に4℃突破もあり得る。

*計算によると「臨界点(地球の、戻れない曲がり角)は2032年5月12日から2040年7月28日の間に起こる、ということまで分かっています‥‥




(3)世界の平均気温の上昇が3~4℃を突破するような事態になれば、いくつかの地球気候のシステムが臨界点を超えて、急激な気候変化をもたらす可能性が高い。



(4)急激な気候変化は気候戦争をもたらす可能性がある。地球温暖化問題は安全保障問題である。気候変化がわが国の安全保障にもたらす影響について更なる詳細な調査を行なうべきである。

(5)2℃ターゲット(気温上昇を2℃までに抑えること)を守るためには低炭素革命を実行するか、化石燃料を使い続けながらジオエンジニアリングに頼る方法がある。

*ジオエンジニアリング、とは科学技術により「地球を強制的に冷やす技術」のこと。

*例えば150万km上空に「日傘」を建設して、太陽光を遮る方法。
しかしとんでもないコストがかかります。ハッキリ言って不可能です‥‥。

(6)2℃ターゲットを守るためには、「低炭素革命」を断行することが現在の時点で最善の方法である。「環境イノベーションとエコプロダクツ」に優れるわが国は「グリーンな経済成長」に全力を挙げるべきである。

(7)環境・CSRレポートが株価を動かし製品のエコラベルやカーボンフットプリントなどの環境品質情報がその売れ行きを決めるような社会を一刻も早く作ろう。

*私たち市民はぜひエコラベルやカーボンフットプリントに注目して買い物ができる「グリーンコンシューマー(環境を考える消費者)」になりましょうね!

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