ブナの中庭で

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奥穂での事故

2012年05月10日 | 山のいろいろ
連休後半の天気不安定を承知で、穂高ジャンダルムに突き上げる飛騨尾根(通称:ジャン飛騨尾根)を辿りました。
5月5日、新穂高温泉を出発。白出沢から天狗沢に入り急な尾根を登っていきました。

すると、「あ、テントの跡だ」先頭を歩く仲間の声。


丁寧に雪面が切られ整えられたテントサイト、前夜のもののようです。作った人の几帳面な人柄が伝わるような作られ方でした。
雪稜でテント場を作るのは労力が必要なので、ここを利用させてもらおうか、という意見も出ました。しかしまだ時間がはやかったので、さらに標高差150m程を登ってのテント泊となりました。

この日(5月5日)は青空ものぞく穏やかな天気だったのですが、午後から急速に崩れてきました。
笠ヶ岳の上にも不気味な雲が。

これは積乱雲、まもなく激しい雷と霰そして吹雪となりました。

テントサイトから見上げる飛騨尾根。これまた不気味な風景。まるで要塞の様です。


この日にジャン飛騨尾根を登ったのは私たちのみ。
トレースは、前日のパーティのもののみでした。
おそらくこのパーティが飛騨尾根を登ったのち奥穂高岳に立ち、そして下山時に滑落されたものと思われます。

事故の概要によると、悪天につかまり予定より大幅に遅れていたとのこと。
しかも一人の方は冬山1年目で北アルプスは初めて。それでこのジャン飛騨尾根は、さぞや厳しかったことと思います。

こころよりご冥福をお祈りします。


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