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象牙とゾウの密猟

2009年12月17日 | 生物多様性
アフリカ中央部のチャド共和国にあるザクーマ国立公園。ここで今年2回アフリカゾウの生息数の標本調査が行なわれました。調査によると、3100平方キロの保護区域に棲むアフリカゾウがわずか1000頭しか残っていないと推測されました。

2005年には3885頭、2006年には3020頭という計測値に比べて大幅な減少です。
しかもザクーマ国立公園内とその周辺で、象牙の密猟者により集団虐殺され放置されていた120頭近くのアフリカゾウが発見されました!

生物学者で調査に加わったJ・フェイ氏によると‥‥
「違法な象牙密猟が原因。2005年以降、ザクーマ国立公園の内部や周辺で急増している」
「現在の水準で密猟が続いたなら3年でゾウはいなくなってしまう。悲劇的な結末だ。大虐殺が進行していると考えるのが妥当だ」
(National Geographic誌)

 (押収された密猟品)

象牙と人類と関係は古く、古代エジプトなど古代文明の遺跡からは象牙製の装飾品が多数見つかっています。日本の正倉院の御物の工芸品にも多く使われています。
1960年以降、日本・中国・香港は印鑑やピアノ鍵盤、麻雀パイのため大量の象牙を輸入します。
最盛期の1980年代、日本は年間360トンもの象牙を輸入したため毎年7~8万頭ものアフリカゾウが殺されていたそうです!
1980年代の10年間にアフリカゾウの生息数が134万頭から半減した原因の筆頭は、日本と言われているくらい。

非常に残念なことですが、今年10月、公的に認められた象牙取引が10年ぶりに再開されてしまいました。ボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエの各国政府が保有する合計108トンの象牙が中国と日本の業者に対して販売されました。

 (アフリカゾウの親子、元気でね!)

これ以上アフリカゾウを追い詰めないために、象牙製品は密猟品はもちろんのこと、たとえ公的取引のものであったとしても買わないでおきましょう。
買う人がいるから売る人や獲る人が出てくるのですからネ。

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