浅草岳（1586m）、天候急変に遭遇

新潟県魚沼市入広瀬にある浅草岳へ山スキーに出かけました。
同行者はＮさん、Ｉさん、登山口で出会い一緒に登る事になったＷさんの３名です。
この日の天気予報は「午前：晴れ、午後：気圧の谷の通過により一時的に雨または雪」。
空に雲が出てきたところで引き返すつもりで、登山口の五味沢から出発しました。

五味沢からしばらくで林道に入ります。
いいお天気～。バックは守門岳。


林道終点から尾根に取り付き、高度を上げていきます。
実に気持ちの良いブナ林、帰りが楽しみだなぁ～♪




いよいよ前岳（1568ｍ）が見えてきました。浅草岳はその奥です。
「まだいいお天気、青空だね。山頂までいきますか」
「うん、そうしよう」


左の黒いのは1484ｍピーク。ここはトラバースし（氷結していた緊張しました）、前岳へ向かいますが、稜線はガチガチにクラスト。
クトー（スキーアイゼン）を装着しました。


装着している間に急に風が強くなり、あっというまに空が真っ暗。
先に山頂へ行って戻ってきたＩさんが「山頂は青氷状態で突風で危険、すぐに引き返そう」。

Ｕターンして稜線を戻り始めたとたん濃いガスに巻かれて完全にホワイトアウトそして吹雪き。
前を歩く人の背中も見えなくなり、足元も登っているのか下っているのか分からない状況。
４人は必死で地図とコンパスで進行方向を定め、クトーとシールをつけたままクラストした急斜面を下り、トラバースし、また下ります。強風に吹き飛ばされないよう注意し、時折吹く突風には耐風姿勢をとります。発達した雪庇もガスで見えず、今から考えるとよくぞ踏み抜かなかったものだ。
この下山は、まさに「脱出」。

なんとか林道と出会う地点まで下ったときは、
「生きて還れた‥」

山での天候急変はこれまでも何度か経験してきましたが、１０～１５分ぐらいの間に、青空から完全ホワイトアウトになるというのは、初経験です。

山の天気の怖さを心底味わった浅草岳でした。
いい経験になりました‥‥。