ブナの中庭で

ようこそブナの中庭へ!大好きな登山や山スキー、環境問題や自然のことなどいろいろ綴っています。

心配な日本のエネルギーセキュリティー

2009年01月31日 | エネルギー
今年1月7日から約2週間、ロシアから欧州向けの天然ガス供給が全面的に停止されました。この間、厳冬期に暖房が使えなくなったり工場が操業停止に追い込まれるなど深刻な影響を受けた国は、実に18カ国にものぼります。
欧州は天然ガスの1/4をロシアに頼り、その8割がウクライナを通るパイプラインで送られています。ガス供給の契約や価格をめぐってロシアとウクライナ両国が対立したことが、今回の「ガス危機」の原因でした。

この事件以来、急速に高まっているのが「エネルギーセキュリティ」の考え方です。私たちは食糧とエネルギーがなければ生きてゆけません。食糧はもちろんのこと、エネルギー自給率を高めることが、安全保障上大変に重要なのです。

欧州各国では以前より自然エネルギー導入に熱心でした。例えばドイツ、自然エネルギーの導入は着々と進展してきています。

 図:ドイツにおける再生可能発電の推移(出所)連邦環境省資料

また冒頭の写真は、同じくドイツにある世界最大のバイオガスプラント(ドイツ Penkun、出所 NAWARO株式会社)

さて、心配な日本、いったいエネルギーはどうなったいるのかな?

資源エネルギー庁から毎年発行されるエネルギー白書(いわゆる「エネルギーに関する年次報告2008」)の国内のエネルギー動向の章で、エネルギー自給率のデータが公開されています。
そこから日本のエネルギー自給率を抜粋したのが下のデータ。
(注)自給率は水力、地熱、国産の石炭・天然ガスなどの比率であり、( )内は供給安定性に優れた原子力を含んだ値。〔上記の本文説明より〕

 1960年 57%(57%)
 1970年 14%(14%)
 1980年 6%(12%)
 1990年 5%(16%)
 2000年 4%(19%)
 2005年 4%(18%)

なんと、たった4%なんです。しかし( )の数値が気になりますね。4%と18%、14%もの開きが‥‥。

白書の本文に書かれている説明は、次のとおりです。

『原子力の燃料となるウランは、エネルギー密度が高く備蓄が容易であること、使用済燃料を再処理することで資源燃料として再利用できること等から、資源依存度が低い「準国産エネルギー」と位置付けられています。石油ショック後、原子力の導入が促進された結果、「準国産エネルギー」を含むエネルギー自給率は2005年には約18%となっています』

つまり、ウランは100%輸入に頼っているが、国内で再処理すれば「準国産」に化けるっていうこと。
ビックリです
だってその再処理、国内では難航難航難航の連続で、ずっと行われていないんですよ。

【2009年1月31日付 朝日新聞 より】
青森県六ヶ所村で試験運転中の使用済み核燃料再処理工場について、事業者の日本原燃は30日午前、2月中としていた試運転の終了時期を6ヶ月延長し、8月にすると発表した。高レベル放射性廃棄物のガラス固化体をつくる試験が難航、廃液漏れなどのトラブルが相次いでいるのが原因という。延期は通算で16回目。

エネルギー白書の18%という数値は、できていない(できもしない)再処理ができたとしたら、の仮想数値でした‥‥。
アキレタ~

エネルギーと食糧の自給率を上げること。早急に考え行動しないといけない課題と思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。