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二酸化炭素係数

2008年08月14日 | エネルギー
毎日暑い日が続いているこの頃、エアコン使用による電力消費は急増化。
温室効果ガスの二酸化炭素CO2も大量に排出されているはず‥‥。

私たちが家庭から排出するCO2の原因はガソリン、電力、ゴミなどがありますが、約4割が電力です。
CO2排出量はどのように求められるかというと、ズバリ次式で計算できます。

  (電力からのCO2排出量:kg)=(二酸化炭素係数)×(電力消費量:kWh)

ここで二酸化炭素係数とは、「電力1kWhを作る際に放出されるCO2量」のこと。
(現在の日本では 0.555kg/kWh という値が採用)

この二酸化炭素係数は、発電の種類によって大きく異なる数値です。
最もCO2を出さないのが小型水力発電で、最大なのは石炭火力で、なんと小型水力の80倍以上!

小型水力を1とした場合の他の発電を比較してみると、以下の通りです。
(電力中央研究所報告書より)
  地熱 :1.4
  原子力  :2.0
  風力 :2.6
  太陽光 :4.8
  液化天然ガス火力 :47.2~55.3
  石油火力 :67.5
  石炭火力 :88.6

石炭や石油に比べ自然エネルギー(地熱や風力、太陽光)では大変排出量が小さいことがわかります。

ところが現在、日本では石炭火力が増加中。
(このグラフ中の青紫色が石炭火力:出展は資源エネルギー庁)


他の先進国では石炭火力を減らす努力をしている中、ちょっと間違った方向性だと思います。

私達は白熱灯を蛍光灯に替え、不要な電灯を消し、待機電力も減らし‥‥と、一生懸命に「電力消費量の削減」に取り組んできました。しかし、

  (電力からのCO2排出量:kg)=(二酸化炭素係数)×(電力消費量:kWh)

「二酸化炭素係数の低減」も同時に行わないと、大きな効果は期待できません。
日本ではもっともっと、自然エネルギーの導入を推進するべきです。


2 コメント

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Unknown (Gやん)
2008-08-15 16:27:20
こうやってデータで見てみると単純にCO2を減らすための方向性というのは簡単に見出せるんだけど、それを具現化するのってすごい難しいことも同じくらいよくわかるんだね。

CO2のことだけ考えれば、70年くらいの需要に抑えれば、水力と原子力だけで行けそうじゃん?って感じだけど、そうりゃ無理だろう...

(新興国の気持ちもわからんでもない...)

水力って昔から一定なんだね、これって効率悪いってことなの?ダムも作れない方向だしね。

原子力っていろんな問題あるけど、がんばってるんだということもわかる。

火力全体で見ると、以外に伸びは少なく、
増加の主要因は、LNGで、石油が減った分、石炭が増えてる感じに見える。

(石炭が減って、石油が増えてるのかと思ってたからビックリだけどね)

実際には、発電施設を変更しなければ、どうにもならないお話だし、需要と供給の関係、コストの問題、自然エネルギー以外の燃料は輸入にたよらざるを得ない日本のお家事情、電力会社のお家事情、方向性は見えても短期間ではどうにもならない難しい問題すですね。

PCでちょちょいと二酸化炭素係数を変更できるかの如く、具現化できれば、簡単なんですけどね。
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Gやんさんへ (Repu)
2008-08-15 22:29:29
なるほど、火力全体で見ると75年ぐらい以降は総量は変わらない、確かにそうですね。
ただ石油→石炭とシフトするとCO2排出係数が大きくなるので、CO2排出量はかなり増加しているはず。
いろいろ難しい問題は多いけれど、長期的視野にたって自然エネルギーによる「エネルギーの地産地消」を進めるのがよさそう。いかがでしょうか!?
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