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山地酪農で林業と酪農を救う方法

2010年01月22日 | 食・農業
中洞正(なかほらただし)氏は酪農家であると同時に東京農業大学客員教授も勤めている方です。
氏が最近発表された論文「山地酪農で林業と酪農を救う」から、紹介します。

日本の酪農の問題点は?
・輸入穀物飼料に大きく依存していること
・本来草を食べる牛を牛舎につなぎ穀物飼料を与えることで牛に健康被害が発生
  (消化障害、運動不足と栄養過多による生活習慣病)
  「えっ、牛にも生活習慣病‥
・乳を出すため妊娠出産を強要されるため母牛は異常行動が多く廃用が早い
  「つまり人間のために牛は使い捨て‥
・消費者の低価格志向により酪農家に極限までのコスト削減が求められている
・コスト減のため安全管理が手薄となり各種の事件発生
・その結果、消費者の牛乳に対する不信感がつのる

と、問題が山積です

これに対して中洞氏自身が経営する中洞牧場で行なわれている放牧は、次のようなもの。
・山間地にある草深い土地で放牧、冬は乾草
・昼夜とも外で放牧するため病気がほとんどない
・人工交配はせず雄牛を一緒に放牧
・子牛も一緒に放牧するため母牛は安心してよく乳をだす
・朝晩の搾乳時には張った乳房を楽にして欲しくて乳牛は自ら山を降りてくる

現在、日本の山村は過疎のため森は荒廃し獣害が進行しています。
そこに山地酪農を導入すれば、無秩序に生えた下草を乳牛が食み、林床まで光が差し込む明るい森になる。つまり乳牛が人手に替わって山を守ってくれるのです。
中洞牧場での長年の経験から、氏はそう結んでいます。

私は牛乳ではなく、豆乳(国産大豆のもの)を飲んでいます。
その理由は、世界で飢餓に苦しむ人が大勢いる一方で、乳牛によって大量の穀物が消費される現状に疑問をもったことでした。

しかし中洞氏のような山地酪農で林業と酪農が救えたら、循環型酪農ができたら、本当にいいですね。
その日には美味しい牛乳をいっぱい飲みたいと思います。

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