白神山地のブナの運命

５月２９日に発表された「温暖化影響総合予測プロジェクト」の分析結果によると、このまま温暖化が進行すれば2100年には日本のブナ林はほとんどが消滅し、北海道と中部山岳地帯のごく一部に残るだけになるそうです。

このプロジェクトは大学や国立環境研究所など１４研究機関による共同研究で、以下のような予測が出されました。

2031～2050年：気温は現在より2.2℃上昇しブナ林は56%減少
2081～2100年：気温は4.3℃上昇しブナ林は93％減少



今から５年前の10月、世界遺産に登録されている白神山地（青森・秋田）のブナ林を歩きました。
NPO「白神山地を守る会」事務局長のNさんが古くからの友人でガイド役です。

最初に入った森で感激していたら、Nさんは「ここは以前伐採された２次林だよ。この先にはもっと堂々とした森がある」

手前の山を抜けて奥のコアゾーンに入りました。一般者は立入禁止地区だそうです。


歩いていくと、次々と、それは見事なブナ林が現れてきました。
写真が下手なため、ブナ林の奥深さや清清しさなどをお伝えできないのが、残念でたまりません。


ブナ林から流れ出る川の水は透みきっていました。


ここのマザーツリーです。
ブナの大木が揃う森のなかでもひときわオーラを放っており、私は見た瞬間に鳥肌が立ったことを今でも覚えています。


山を歩く猟師たちは古来、目印にするため幹に鉈で名前を彫ったそうです。何本か見つけました。


2100年、ここ白神ではどのような風景が見られるのでしょうか。
白神のブナを絶滅に追い込もうとしている現代の私たち。
とにかくできることは全て、今すぐ着手しないと間に合いそうにありません。