中高生の頃、「なでしこの椅子」という小説を読んだことがきっかけで、作者の清川妙先生のエッセイに出会いました。
「今日がいちばん素敵な日」は、数多く出版されている清川妙先生の著書の中でも、大好きなエッセイ集です。
そこで、ブログのサブタイトルをこのエッセイ集からいただくことにしました。
ブログを始める少し前、私は先生が講師を務める万葉集の講座を受講する機会に恵まれました。
先生のエッセイに、しばしば登場する枕草子や徒然草、万葉集の歌の数々は私の心をとらえ、もっと読んでみたいという気持ちになっていました。
当時の私は、大病をした時期とほぼ重なり、文字を読むこと、書くことから離れていました。
文字が入らないという後遺症があり、リハビリの一旦としての意味もあり、受講を決めたのです。
先生の講義は、和歌の解釈が中心でした。一つ一つの言葉を味わい、自分の思いをのせて、作者の歌を味わうという、繊細かつ丁寧で、地道な講座でした。
各自が辞書を片手に、まるで大学のゼミのようでもありました。
何より文学のプロとして筋の通った講義でした。
その時の感想を書いてお送りした手紙が、当時、先生の連載しておられたある女性雑誌に紹介されたことがあります。
(手紙の書き方といった内容でした)
掲載雑誌、添えられたお手紙、菫色のハンカチは今も私の宝物です。
先生が亡くなられたと知ったときは寂しくて、もう一度講義を受けたかったと思い出しています。
そんな先生のことを思い出して、本のタイトルを、ブログのサブタイトルにしました。
「今日がいちばん素敵な日」、これからも、その気持ちを忘れないで毎日、過ごせたらいいなぁと思っています。