王将戦第4局は後手番の藤井竜王の114手△5八角を見て渡辺王将が投了。
七番勝負をストレートでタイトルを奪取した藤井竜王は最年少の五冠王となり、新たに歴史に名を刻みました。
文字通りその終了図です。
この将棋は渡辺王将が、以前に負けた棋聖戦第三局と途中までは全く同じ手順となり、話題になりました。
それだけこの一戦にかけていたのでしょう。時間配分も作戦通りで、前日の封じ手の場面では予定通り時間差も、局面も多少先手の王将有利とみられていましたが、封じ手に対しての対応で▲2一歩成、△5三角に▲8八銀と銀をひいたことが問題だったようです。
▲7六銀、△同飛となっていったん銀損になりますが、▲2一歩成、△5三角に▲2二ととすれば金をとれるので駒損が解消され、それで先手が指しやすいと立会人を含めた多くのプロの見解でした。
とはいえあくまでも第三者の意見に過ぎません。心血を注いている当人にとっては遥かに深いヨミが入っているはずで、その順では良くない何かを王将は見つけたのかもしれません。今でこそ序列2位ですが、つい先ごろまでは現役最強と謳われた現名人ですからね。
それはさておき、これで名実ともに現役最強の座についた藤井竜王の幕開けです。10年なのか20年間になるのか、どこまで続くのか楽しみです。ひょっとしたら二度と現れないといわれた羽生九段のタイトル数99を破るのではないかとさえ思えるくらいです。