理系お兄さんのぼやき日記

つれづれなるままに日暮らしすずりにむかひてこころにうつりゆくよしなしごとを…意外に覚えているもんだなw

北行き夜行

2017-04-03 00:16:05 | お題
ほぼ一年ぶりの投稿です。何となくお題を見ていたら「寝台列車に乗ったことがある?」というタイトルで、ちょうど一年前に最後の「急行はまなす」での旅行記を書いてたんだなw

さて、お兄さんは北の大地から関東へ進学・就職したので、帰省は一大事業となります。学生時代はお金を浮かせるのにボロマイカーで下道を延々と青森まで走り、フェリーで海を渡ったり、快速や特急を乗り継いで青森まで行き、急行はまなすの座席車に乗ったりして帰省していました。お題の「寝台」は別途6千円(税抜)もかかる上にそれほど長く寝られるわけでもないので、貧乏学生にはちょっと手の出ない乗り物でした。暮れの帰省は北上するにつれ、車窓に雪が見え始め、歌にもあるように「青森駅は雪の中~♪」と急行はまなすに乗り込んでました。当時、帰省のハイシーズンでも座席車は30%ほどの乗車率、つまりボックス一つに一人が割当たるような長閑な雰囲気でしたね~。向かいの座席に足をかけて「くの字」で寝るんですが、まあ足腰が痛い(-_-;) 2時間くらい寝て目が覚め、また寝るの繰り返しでしたわ。当時は「喫煙車」も連結されていたから、寝ぼけ眼でタバコに火をつけ「あ~青函トンネル抜けたんか~雪が多いなぁ」など、ある意味優雅な?旅が楽しめたものです。

就職すると金銭的に多少は余裕が出るからフェリーも青森ではなく、新潟や仙台から乗って個室でゆっくり過ごしたり、列車は「北斗星」を使う機会が増えました。北斗星が登場したころは大人気で1日3往復も設定されており、盆暮れには全部B寝台の「エルム」という列車も増発するほどでしたが、いつの間にか、エルムの設定が消え、更に1往復消え、更に1往復消えてとうとう、残り1往復だけになってしまいました…しかも末期はほぼ個室ばかりという豪華な編成になったものの、その分「プラチナチケット」と化してしまいました。まあ、午前の仕事を休んでみどりの窓口で買ったのはいい思い出だけど(*‘∀‘)

そこまでして北斗星に乗りたい理由、それはやはり「非日常空間」を味わえるからでしょうか。上野駅の末端ホームにゆっくり入線してくる車両をワクワクしながら待つ喜び、そして車内に入って「今晩の宿」となる個室を確認しキオスクに飲み物などを調達しに行く。車内に戻って一服、ふぅ~。特に暮れは仕事をやっつけてきたから、このひと時はより感慨深いものがあります。ゆっくりホームを出発し、街の風景を眺めます。いつも見ている景色のはずですが、吊革に掴まって見るのとは全然印象が異なります。ハイケンスのセレナーデのチャイムで車掌さんがアナウンスをします。「この列車は札幌行きの寝台特急北斗星号です」この「札幌行き」という単語も改めて聞くと実に感慨深い。この列車は「最後の食堂車」が連結されており、きちんと「食事」が楽しめます。とはいうものの、夕食の予約はせず、いつも「パブタイム」というフリー客へ開放する時間帯でその時の気分で食事を楽しみました。色々試しましたが結果として「ハンバーグセット」を毎回食べていました。学生のころ、お金を工面して北斗星に乗ったものの、切符を買ったら残り1千円ちょっとだったため、ピザ一枚しか食べられなかった苦い思い出がよみがえったり(^^;)

食堂車でお会計の時に持ち帰りのコーヒーを買い、翌朝のシャワーの予約をして個室に戻ります。大体このころだと郡山や福島あたりでしょうか、そこそこの街並みや並走する国道4号を走る車列を眺めつつコーヒーをすすります。ココン、ココン、…という微かなジョイント音を聞いていると何となく眠たくなってきます。洗面台で歯を磨き、ベッドを整えて床に就きます。個室の利点の一つとして、鍵がかけられるので貴重品の心配をせずに安心して寝られます。ちょうどよい硬さのベッドと枕、ちょうどよい温度の空調、そして何より「寝台車の醍醐味」であるジョイント音と軽い揺れが前日までの疲れを癒すように眠りへと誘ってくれます。…(-_-)zzz

「ゴーーーーー」という反響音で目が覚めます。青函トンネルの中なのでしょう。ちらと窓の外を見ますが、トンネル内は湿度が100%近いので窓も外側が思い切り曇ります。急に明るいところを通過しますが、当時あった海底駅の「竜飛海底駅」か「吉岡海底駅」なのでしょう。「トンネルの底を抜けたなぁ…」と思いながら再び、眠りに入ります。しばらくすると列車が止まった気配がします。函館駅です。ここでは電気機関車からディーゼル機関車へ付け替えるので数分間の停車時間があります。ささっと着替えてホームに降り立つと「寒い!((+_+))」編成の両端では電気機関車の切り離しとディーゼル機関車の連結作業を行っています。自販機でコーヒーを買い、飲みながら作業を見守ります。連結器、ジャンパ線を接続して間もなく出発のため、車内に戻ります。あ~寒い寒い…ベッドに入るといつの間にかまた寝てしまいましたw

夜中は車内放送も自粛していますが、道内に入ってからは放送も再開します。ハイケンスのセレナーデで再び目を覚ますと、大体、長万部や登別あたりのことが多かったなぁ。予約していたシャワーを浴び、食堂車でサンドウィッチとコーヒーを買って朝食をとります。室蘭、苫小牧あたりで札幌の友人にメールを送り、駅で落ち合う算段を付けます。南千歳、新札幌を過ぎるといよいよ終点の札幌です。最後の車内放送を聞きながら荷物をまとめます。ゴミは、くず入れへ。すばらしい一晩をありがとうと感謝しながらホームに降り立ちます。やはり空気がひんやりしてて目も覚めます。機関車の方に行くとDML61×4機のアイドリング音が響いています。しばらくすると4機のディーゼルエンジンの唸りをあげ、一夜の思い出を引き連れて行きました。

はあ、こんな体験が二度と出来ないのは悲しい限りですが、移り行く時代の流れは止められないので仕方のないことなのでしょう。

<最後に乗った時の上野行き北斗星>

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