気がつけばシニア

老犬介護生活でした。
寂しさを振り払って今は日々の生活の諸々を綴っています

強くなる

2019-10-02 04:12:35 | 老犬
最後の朝は穏やかだった。
いつものようにリクは眠っているようだった。
おはようとリクの顔を撫でる

今日でお別れだね。
お葬式まで、あと数時間。
リクをいつものように抱っこした。
冷たくなったリクを抱き締めて泣いた。
いつもと変わらないのに、軽かった。


昨夜、お腹の中のオシッコを出したから。
亡くなった後、オムツの中にオシッコしていた。
見ると、まだチョロチョロ出るので、お腹を静かに押してやると溜まっていたオシッコが全部出た。
ウンチも綺麗に取ってやる。
それだけでこんなに軽くなるのかと思った。

足の褥瘡も完治し、肩の褥瘡も完治し、腰の褥瘡も治って来ていたのに、何故死んでしまうの?

リクは生きると思っていた。
少なくとも今年中は居てくれるだろうと。
口の中も綺麗に治り、ご飯も毎日少しずつ増やし完食出来ていたのに。
頭もしっかりしていた。目も見えていた。
夜鳴きする事もなかった。
朝も起きると、ワンワンと教えてくれた。
なのに何故?

動物霊園に着くや否や雨がポツポツ。
リクを棺におさめる。
お花で飾り、お菓子や、リクが良く遊んだボールを入れてやる。
手紙も書いた。それも入れた。
手に数珠を持たせてやる。





お坊さんがお経を唱え、焼香する。

お葬式が終わると、リクとの最後のお別れだ。
顔を撫で、何回もありがとうと言った。


リクが旅立った。
煙突から煙が上がり、ゴォ〜ッという音が。
天に帰るんだなと思った。

リクの骨は立派に残っていた。
尻尾の先までや足の指の小さな骨まで揃っていた。
歯も綺麗に残っていた。
焼き場の人が、年齢からしたら、綺麗に残っていてびっくりしましたと。
大抵、高齢になると骨がもろくて、全部残らないんだそうだ。

お骨入れも、足の骨はお箸で割ってもなかなか砕けないほど強かった。

骨つぼに入ったリクを持ったら、まだ温かく、少し焦げた匂いがした。

その場で初七日も済ませ、リクと家に帰ってきた。

誰も居ない家に帰るのは19年ぶりだ。
いつもなら、リクとメイが待っていてくれた。
こんなに寂しいものかと思った。

空を見ると凄く辛い。
この雲渡る青空の下に、もうリクもメイも存在しないんだ、もうこの世のどこにもいないのだと。



リクの寝ていた場所は、まだこのままだ。
まだリクの匂いがする。

悲しいけど、リクがくれた時間を自分の為にこれから使おう。
私は前を向いて行く。
悲しむ為にリク達と出会ったのではない。
これから頑張って行く。

強い私になる。
リク、メイ、見ていてね。

嬉しかったです

2019-10-01 03:41:57 | 老犬
この度は、愛犬リクと私にお寄せ下さいました皆様の暖かい励ましの言葉に涙し、慰められ、こうやって立ち上がる事が出来ました。
本当にありがとうございました、感謝しかありません。
また、つたないブログを綴っていこうと思います。
どうかまた、よろしくおねがい致します。


高齢犬を飼っていらっしゃるかたの、何かしらお役に立てればと、リクの色々を書いて見ようと思います。

リクの居ない日常、ポカンと空いた時間、体は楽になったのに心が苦しい。
何をするでもなく時間が過ぎる。

いかにリクとの時間が1日を占めていたのか。
夜中に目が覚める、いつものクセでリクはどうしているかと、もう居ないリクの寝ていた所を見てしまう、買い物をしていても、早く帰らなくちゃと思う、夕食のあと、早くリクのご飯しなくちゃと思う、褥瘡の手当てもしなくていい、夜の時間が長く感じる。

リクを抱っこしている時が1番の癒しだった。
抱っこしたくてたまらない。私のリク。

9月20日金曜日、突然ご飯を食べなくなった。
注射器のような容器で口に入れるが、飲み込まずだだ漏れ状態。
お水も一口二口。
無理強いは良くないと寝かせる。
明日また食べてくれるだろうと。
夜はスヤスヤと良く眠っていた。


9月21日土曜日、いつもの朝。
リクが目を覚ましたようだ。
いつものように、リクちゃん起きたの〜と声をかけ少し水を飲ませるが、一滴も飲まず、口も動かさない。
注射器容器で水を口に流し込むが、口から水が流れ出て来る。
いつもと違うリクの様子にヤバイのかもと思った。
リクの体温が、低くなっている。
全然温かくない。明らかにおかしい。
リク、と呼んでも目が開かない。
オムツを見ると、ウンチとオシッコしていた。
その時が来たのだと思った。
急いで家族を呼ぶ。
リク、リク、と呼びかけるも反応なし。
オムツを見ると、またウンチを少し。
何回も少しずつ出る。
綺麗にしてやる。
そのうち、口呼吸になる。
静かな静かな口呼吸だ。
心音も不安定になっている。

いつ呼吸が止まったのかわからないくらい静かだった。
そのまま眠るようにリクは逝ってしまった。
苦しまずに穏やかな最後だった。

覚悟はしていた。
長くはないが今年中は居てくれると思っていた。
木曜日にはワンワンと鳴いて元気だった。
動物病院の先生に電話して伝える。
老衰です、リクちゃんは幸せだったと思いますよとおっしゃってくれた。
よく頑張ったとリクと私を褒めて下さった。
15年お世話になった。
丁寧にお礼を言った。

リクの身体を綺麗にしてやり、亡き骸を抱いて思い切り泣いた。
やっと楽になれたねと撫でてやる。

本当に亡くなったのかと信じられない。
いつものように眠っているだけではないのかと。

メイの臨終を経験しているので、硬直が始まる前に手足を曲げてやる。

顔や耳を拭き、毛並みも整え、爪も切る。
最後にオムツもチェックして綺麗にしてやる。

花屋さんにお花を頼み、動物霊園に連絡。
とりあえず翌日の3時から空いていたので決める。

棺の中に入れるお菓子やフード、おもちゃ。
祭壇に置く遺影の用意。数珠。冷凍のリクの身体を冷やす保冷剤。
テキパキしている自分が可笑しい。

メイの仏壇にリクちゃんを頼むねと、チンしてお願いする。

悲しいのだけれど、やり切った感がある。
後悔は嫌だとメイの時に思い、リクの時は後悔しないようにと思ってやってきた。

これでリクを天国に行かせることが出来る。
神さま今までありがとうございました。
リクをお返しします。
よろしくおねがいします。

その日は一晩中眠れなかった。
明日、リクとお別れするのかと思うと、眠る時間がもったいなくて、とても眠れない。

起きてリクのそばに寄り添っていたい。
よくウチに来てくれたねと感謝する。
リクは幸せだっただろうか。
よくここまで頑張ったね、偉かったねと撫でてやる。

一睡もせずに朝を迎える。
あと数時間後には無くなってしまうリクの身体を撫でる。

なぜかお腹が空かない。
食べようと思わない。
一切の欲が無くなるようだ。
何も欲しくない。

リクとの最後の夜、最後の朝。
泣くだけ泣いた。
リクは可哀想ではない。
大往生したのだ。
天寿を全うしたのだ。
生き切ったのだ。
自分にそう言い聞かせる。

リクとメイを天国に送って、私の役割りは終わった。
これでいいのだ。
リクありがとうね。
私も少し眠らなきゃ。