こちらが、右側からこの屏風をみた時の、
幹ばかりの光景です。
重々しい感じがしますね。
地形もなだらかです。
点苔も、静的。
そして、こちらが、左側からこの屏風をみた時の光景です。
こちらの画像ではどうしても黄色になってしまい、
金色でさえ表せないのですが、
実際の作品は、本当に迫力があるものなんですよ。
美しい平和や、愛が、
燦めいて、輝くように伝わってきます。
点苔は、螺旋を描いて動的なかんじです。
遮るもののいない、金色の広い空がひろがっています。
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並べてみましょう。
この百合の花の大きさですが、
このサイズ感が必要だったと思います。
この屏風は、こうして拝見しますと、
2つの世界を描きたかったのではないかな~と
思えてくるのです。
その二つの世界が、それぞれ何であるのかは、
鑑賞する側のひとり一人に委ねられているでしょう。
しかし、当時の作家達が、個人の思想を反映した作品を
作る機会がどれ程あったでしょうか。
其一の個性というものが、改めて考えてさせられます。
また、其一をとりまく人々、
つまり支援する人、反目する人、といった環境についても、
多分に思いを馳せる理由がある作品だと思います。
では、最後にあらためて、正面からです。
一見、異様なようでいて、時代を超越した、人間世界の有り様を
伝えてくれる屏風絵だと思います。
この偉大な作品に
敬意を表さずにはいられません。
2020年、重要文化財に指定されたそうです。
次回のブログでは、屏風・豆知識です。