フランス出身者チームの新年のお稽古では、
特に気持ちのこもった、洗練された和菓子をご用意頂きました。
「いきがい」というタイトルの、日本文化の精神生活について書かれた本が
昨年から、皆さんの中で話題になっています。
メンバーの皆さんが口々に、「もう西洋文明は限界。」
「西洋人の生き方は破壊的で、これ以上前に進めないと分かっているので、
日本人がどのように暮らしているのかを皆知りたがっている。」
「私達は10年もすれば、海底にしずむ主要都市をみるのだろう...。」
などと、話し合っています。
日本人だけのグループではいくら新年と言えども、
この様に雅ではないものです。同じ事が、西洋文化を見つめ続けた日本人にも
言えるでしょう。
そんな時に、私は東洋と西洋のどちらのサイドにも良さがあり、
お互いに補い合ったり教え合ったりして、進んでいくのが良い事なのだと
いう方向へ話を持って行きます。
日本人は、西洋文明を見て、日本への誇りを見失った時が長かったのですが、
その同じ様なことが、また西洋人の方に起こらないで欲しいと思います。
こうしてみると、自国の文化を恥じたり、反省し過ぎたりするという事は、
人の心の弱さから来るものなのかもしれません。
時代の流れや、時勢というもの、
またはもっとも合理的な理由のため だけではなかった
と今は考えるようになりました。
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今、そしてこれからも、
海外から日本文化を学びに来られる方は多いでしょう。
直接お会いして、お話する事もあると思います。
日本文化を褒められた時も、照れたり御礼を言って会話を終わらせたりしないで、
もっと話を深めてみたいものだと思います。
相手が何を求めて来日しているのか、
相手が経験し、また会得したいと思っている文化的精神は何か、
それについて率直に自分はどう思うかなど、
意見を交わしてみれば、
それは、大変に有意義な時間になるはずです。
琳派墨絵クラブ