さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

SZI創立15周年記念シンポジウムに参加してきました

2008-06-21 08:58:01 | 倫勝寺の日々

お知らせ:明日22日、大船観音寺で17時半からキャンドルナイトが行われます。お近くの方はぜひお出でください。

19日、東京都港区の東京グランドホテルで行われた「SZI創立15周年記念シンポジウム」に参加してきました。

基調講演を行われた奈良先生。質疑応答中の様子。


SZIはホームページを見ると、以下のように紹介されています。
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『Soto Zen International (SZI = Soto禅インターナショナル)は、国際布教経験者有志の呼びかけによって、1993年2月に発足いたしました。
大本山永平寺・總持寺と宗務庁から協賛をいただき、会員の皆様と共にボランテイア・スタッフが運営する曹洞宗の国際布教、及び曹洞禅の国際交流を推進する団体です。
SZI活動は、相互扶助を実践し ていこうという皆様、有志寺院、会員一人ひとりの「願い」に支えられる「会費」により運営されております。』
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住職も10年位前から会員になっており、ときどき講演を聞きに行ったりしております。(同じ曹洞宗関連ですが、ボランティアのSVA:シャンティ国際ボランティア会とは違いますので、お間違えなく!)

住職が実際に国際布教をおこなったということはありませんが、永平寺東京別院修行時代に今回のパネリストの一人であるビッチ大樹さんと知り合いになり、ブラジル開教の苦労を目の当たりに見聞きして、非常に衝撃を受けました。
日本人僧侶以上に道元禅に帰依し、持てる情熱のすべてをそそぎ続ける大樹さんの姿勢に、強く感銘を受けたものです。

また、私が典座(禅道場の台所主任)を人より長く務めていた関係で、ロサンジェルスでおこなわれたお茶会に精進料理を作るために出向き、禅宗寺というお寺に2週間あまり滞在したことがありました。

帰国後、海外へのあこがれと、身一つでどこまで出来るか試してみたい、という気持ちが湧き上がり、結構真剣に海外布教について調べてみたことがありました。まあ、英語がからっきしなので、結局あきらめましたが・・(~_~;)

さて、今回は創立15周年ということで下記のようなプログラムが用意されました。
非常に内容の濃いシンポジウムだったと思います。スタッフの皆さん方の苦労に敬意を表します。

「世界の曹洞禅」 ~禅の果たす社会的役割~
13:30- 基調講演  
「禅信仰と社会的実践」 講師 奈良康明先生
15:00-15:30(休 憩)
15:30-17:30  シンポジウム
提起・コーディネーター ・・・ダンカン隆賢ウィリアムス先生
パネリスト・・・オコナー洞燃師・ビッチ大樹師・クサノ宗禅師

(講演の詳しい内容についてはKamenoさんのブログや上記SZIのページにも後日アップされると思いますので、そちらを参照してください。)

奈良康明先生は駒澤大学の総長経験者で、私も学生の頃授業を受けていました。スゴイ学者さんであるにもかかわらず、市井の宗教者としての姿勢でお話をされたように感じました。

表題の講演の内容に関しては、大掴みで申しわけありませんが次のようなことと思いました。
僧侶は社会のあり方に無関心であってはならない、無関心は慈悲とは対極のところにある。
いま、自分に出来ることを着実に実践する、はじめることが大事である。
僧侶であれば、法事の時には短くとも必ずお話をする。
大上段に振りかぶって社会活動云々するのではなく、自分の周囲からまず変化を起こせるように働きかける。
小さな波が大きな波をつくる。

質疑応答の最後に、松原泰道老氏のお言葉を引用されたのが印象的でした。
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一人では何も出来ない。
しかし、その一人が始めなければ何も出来ない。
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あまりに動かない私たち世代に、業を煮やしてのことかもしれませんが・・。
(文言が間違っていたらゴメンナサイ。)

3人のパネリストの方々には、現在行っている海外での社会的活動の実践の紹介をしていただきました。


〇犯罪者更生の手助けとしての、坐禅の指導や経典の読誦。
〇環境破壊を食い止めるための取り組みや指導。坐禅会などを通しての人間性向上に寄与する活動。
〇流入する多くの難民救済の場で高まる、禅や仏教の必要性。

いずれの方々も、困難な道を歩みながらも熱い情熱を持ってその任に当たっておられる様子を語ってくれました。

住職が感じたのは、奈良先生の総括にもありましたが、布教するその人の魅力、熱意、そして周囲からの信頼を得る事が重要である、ということ。

そして自己をふりかえって考えさせられたのは、彼らには本当に仏道、禅に対しての信仰心がある、しかしいまの日本の宗教者とよばれる方々の中で、どれだけの方が本当に自分の所属する宗派に対して帰依をしているのだろうか、いいかえれば、信仰心があるのだろうかということでした。

帰依無くして、説くことあたわず、ということをまざまざと感じた日でもありました。

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今日のおまけ

東京タワー。シンポジウムからの帰り道、増上寺黒門付近からの姿です。
今はこんなディスプレイになってるんですね。

前回に引き続き、満開中の沙羅の花。花びらのひだが、なんとも言えず美しい。

かすみそうも満開。

今日はここまで。

 


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