(写真は一昨年の托鉢の様子)
「利行は一法なり、あまねく自他を利するなり」
地獄とは鳥がさえずり、花が咲き乱れるとても良いところだそうです。
立派な宮殿があり、広間には大きなテーブルにご馳走が山ほど並んでいて、
美味しそうな匂いが一面に漂っています。
地獄に暮らす人達はそのテーブルの周りに座っています。
ですが、ご馳走が食べられるわけではありません。
その手には身長よりも長い箸をもたされ、その長い箸が邪魔して思うように食べものをとることも、
口に運ぶこともできないのです。
なぜ俺だけがこんな目にと他人の幸福を妬んで怒りわめき、箸をふりまわす者がでてケンカが始まり、
テーブルの上のご馳走はあっという間にグチャグチャになってしまいました。
それでは極楽はどうなのでしょう。
立派な宮殿や広間にご馳走が並んでいることや、長い箸をもたされているのも、みな地獄と同じだそうです。
でも喧嘩したりせず、みんなにこにこ笑いながら楽しそうに食事をしています。
いったい何が違うのでしょうか?
極楽の人たちは自分の空腹はさておき、テーブルの向うに座っている人に何か食べたいものはないかと尋ね、
持っている長い箸で相手の口に食事を運んであげているのです。
地獄の人にとって長い箸は厄介な邪魔ものですが、極楽の人にはありがたい道具なのです。
この地獄・極楽のお話は、私たちの毎日の生活に置き換えることが出来ます。
誰もが満足できる生活を送っているわけではありません。
せっかくの「長い箸」という幸福をもたらす道具も、
自分自身の利益だけを求めるためだけに使っていたのではかえって邪魔になるばかりなのです。
「利行は一法なり、あまねく自他を利するなり」という道元禅師のお言葉があります。
自分のことのみならず、他の人のためにも功徳を積むことが、
めぐりめぐっていつか自分にも他人にも、そして全てに幸福をもたらすことになる、ということでしょう。
仏教徒として常に心したいお言葉です。
曹洞宗神奈川県第2宗務所第5教区 布教部リーフレットより
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既報の通り、ビルマ(ミャンマー)で発生したサイクロンや中国・四川省の大震災は、
建物や人的被害のみならず、想像以上の精神的、経済的打撃を各国に与えています。
今私たちにできること、「困った時にはお互い様」のこころを現地の方へ届けましょう。
5月24日、午後3時頃から大船駅前を中心に托鉢を行います。
網代笠をかぶり、商店街の中を読経しながらゆっくり歩いています。
ご協力よろしくお願いいたします。
私達が皆様からお預かりした義援金は、日本赤十字社、SVA(シャンティ国際ボランティア会)等を通じて
被災地に届けさせていただきます。
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今日のおまけ
今日のおまけは、先日の風雨の強かった翌日に写した写真です。
大船観音寺の隣、M仙寺さまの石段には青モミジが吹き散らされ、詫び寂びの趣がいっそう感じられました。
鎌倉、という感じがします。
手のひらを前に向けたようなこの花は、なんというのでしょうか?
おもしろい姿です。
(「スイカズラ」だそうです。5・24記)
石段をもう一枚。
片付けの後、近くのR寶寺さまにも行ってみました。
風雨のあとだったので、自慢の芍薬はちょっと残念な姿になっていましたが、野の花たちは元気に咲いていました。
今日はここまで。これから歯医者に行きます。