※この記事は先日投稿したものですが、今回取材元の方丈さまから写真をご提供いただきましたので、写真を差し替えして再度アップさせていただきました。
Y寺・N村老師、ありがとうございました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おととし、山門のところに猫の子が捨てられていてねえ、大変だったんだよ。」
ひさしぶりに遊びにいらした知り合いの方丈さんが、にこにこしながら話します。
動物好きの方丈さん、犬や猫、小鳥や爬虫類と庫裡や境内で一緒に暮らしていますが、
お寺に猫が捨てられたのは久しぶりだそうです。
「朝、家内が境内の掃除をしていたら、山門のところでミャーミャー鳴き声がするって言うんだ。」
行ってみたらまだ眼の開いていない、生まれたばかりの赤ちゃん猫が1匹、タオルにくるまって震えていたそうです。
ご本尊様とご縁があってこちらにお出でいただいたのだから、うちで育ててみよう、ということになりました。
ペットショップで小さな哺乳瓶を買い、牛乳を飲ませたり、夜は交互に起きて様子を見たり。
久しぶりで子育てをしたよ、と笑う方丈さんですが、ひとつ困ったことがあったそうです。
「牛乳を飲んでくれるのはいいんだけれど、ウンチが出なくってねえ・・」
おしっこは出るのだけれど、ウンチが出ない。
苦しそうに鳴いている赤ちゃん猫のお尻を、お湯で温めた綿棒で刺激してみたり、指でそっ
と撫でてあげたりしたそうですが、出る様子がない。
困ったねえ、お医者さんに診てもらおうか、夫婦で額を寄せて相談していると、
そんな様子を見ていたメス犬のうちの1匹が、赤ちゃん猫のそばにやってきてクンクン臭いを嗅ぎはじめました。
何をするのかと思って見ていたら、ペロペロと顔や頭を舐めはじめたのだそうです。
あっ、食べられちゃうと思って犬を離そうとすると、それにかまわず今度は背中やお腹を舐め、そしてお尻を舐めはじめました。
すると、赤ちゃん猫がウンチをし始めたのだそうです。
「あっ、出た出た」と喜んでみていると、猫のお尻をきれいにしたワンちゃん、
あとは任せたといわんばかりに方丈さんを見上げて水を飲みに行ってしまったそうです。
「いろいろやってみたけど、結局ワンちゃんにはかなわなかったよ。
でも、犬や猫という種類を超えて育みあう『命』のはたらきの尊さ、素晴らしさに、家族みんながあらためてすごいなあと感動したね。」
すごいものですねえと感心して聞いていると、いや、まだ続きがあるんだよ、と方丈さんが続けます。
「ウンチの始末をしてくれた犬とは親子のような関係になって、本当に仲良しになったんだ。
なにをするにも、どこへゆくにも一緒でないといけなくなってねえ。」
そんな親子関係が続いていた1年後、その雌のワンちゃんも結婚して子供が出来たそうです。そしてかわいい子が4匹あまり産まれました。
眼も開かないうちからおっぱいの取り合いをしてお母さんにまとわりついているその赤ちゃん犬の世話を、1歳半位になったこの猫が自然にするようになったのだそうです。
顔や身体を舐めてきれいにしてあげたりするのはもちろん、お母さんから離れて鳴いている子を、そっとくわえて連れ戻してきたり、
時にはお母さん代わりにいっしょに寝ていたり、いたずらをすれば怒ったり。
本当のお姉さんのような働きをするのだそうです。
「『命』というものは本当にすごいものだね、人間が考える『愛』とか『優しさ』とかいった、言葉や概念では計り知れないほど大きな『はたらき』があるんだよ」
うちの2歳になる柴犬を撫でながら、方丈さんが話してくれたことでした。
私は、改めて子供達の顔を見ながら、その話をかみしめてみました。
皆さんはいかがですか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日のおまけ
先日、戸塚区俣野町にあるR長院さんに所要で出かけたところ、境内のアジサイが満開になっていましたので、
しばらく散策させていただいてきました。
いつお伺いしてもきれいに手入れが行き届いて、すがすがしい気分で梅雨の晴れ間のひと時を過ごさせていただきました。
白いアジサイの中をのぞくと、宇宙を見上げているような感じになります(なりません?)。
アジサイもいろんな種類があって、花の形もそれぞれ違います。
最近はこの柏葉アジサイもよく見かけるようになりました。
こちらは先日も紹介した、鳳倫閣前の池にある睡蓮(風月さん、ご指摘ありがとうございました )。
土砂降りの時に撮ったものです。
川端茅舎に「金剛の露ひとつぶや石の上」というのがあります。趣は違いますが・・
蘇鉄の若葉も、どんどん育ってきています。
花畑の隅のほうに、コスモスが咲いていました。
八つ頭もこの梅雨時の雨で、一気に大きくなることでしょう。
今日はここまで。
駒澤大学の福祉学科の教授で小畑先生という方がいます。この先生の研究室には捨てられていた猫ちゃんたちが時々収容されています。先生からこの本はいただきました。編集の先生も駒澤の先生だった方だそうです。このワンちゃんと猫ちゃんの話を聞いたらきっと泣いて喜んでくれそうです。
美しい花々の写真も目が洗われました。水仙→睡蓮
うちのサンゴ同様、風月さんのところも、彼女がいることでほのぼのとした空気が醸し出されているようですね。
花の名前間違い、ご指摘ありがとうございました。
最近、不注意のミスが続いてなんともしょうもないことです。
ホント、かわいいですよねえ(^-^)
棚経もようやくピークを越し、これからひと月余りは教区の施食随喜になります。
そして8月のお盆・・体調管理に気をつけないといけませんね。
と、いいながら、風邪をひいてしまって家族に総スカンをくっている私です((+_+))