さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

お墓の引っ越し、で、こんなにですか。

2014-02-12 19:30:00 | 倫勝寺の日々



産経新聞に、「改葬」に関しての記事が出ていました。

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お墓の引っ越し「改葬」でトラブルも 高額な「離檀料」など
2014年2月9日(日)10:08

(産経新聞)
 少子高齢化や地方の過疎化などに伴い、無縁墓や荒れる墓が増えているという。こうした中、簡単に墓参りができる場所へ墓を引っ越す「改葬」を考えている人もいる。しかし、改葬をめぐるトラブルも少なくない。

 ◆近くにあれば

 「『離檀料? 600万円?』。聞いて耳を疑いました」

 こう話すのは、東北地方から東京へ、墓の引っ越しである「改葬」をしようとした男性(69)。出身は東北だが、東京で40年近く暮らしている。「終活」を考える中で、先祖代々の墓を東京に引っ越す決意をした。東北のある寺の境内にある先祖代々の墓は、津波の被害こそ受けなかったものの東日本大震災で倒れてしまった。

 自分たち夫婦も年だし、2人いる娘も東京で暮らしている。毎年のように家族旅行を兼ねて墓参りに行っていたが、将来を考えて家の近くの納骨堂に墓を移そうと思い立った。娘らは嫁いだが、近くに両親の墓があれば参拝にきてくれるだろうと考えたからだ。

 平成25年の夏、夫婦で盆の墓参りに行ったとき、住職に改葬の話を持ち出した。「すると、住職が突然、怒り出した。『遺骨を外へ出すなら離檀料を600万円払ってほしい』って言うんです」。「なんでそんな額になるのか」と聞いたら、「あなたたちが墓参りに来ないときでも、寺は毎日のように供養してきた。あなたの両親の月命日にもちゃんとお経をあげてきた」と答えたという。

 男性は「600万円も払えるわけがない。改葬は延期することにした。でも、いずれは東京に遺骨を持ってこないと。将来、無縁墓になっちゃうのも嫌だし」と話す。

 ◆公的機関に相談?

 「離檀料1250万円? そんな話が本当にあるとは」と話すのは、関西で納骨堂の販売責任者をしている男性だ。認知症の症状があり、施設に入っている老人(80)が同じ関西にある両親と妻の墓を納骨堂に移すことになった。

 「家から近いし、50年たって墓を継ぐ人がいなければ合葬して寺が供養してくれるというところを気に入っていたようでした。しかし、後見人が寺に行ったら1250万円の支払いを求められた」

 寺の説明は「亡くなった妻の年忌法要などを寺が自主的にやってきた。(老人の)両親や祖父母の三十三回忌、五十回忌には寺で法要をあげた。他の檀家(だんか)が払っている維持費も払っていない。全部足せば1250万円」というものだった。

 「支払う必要があるのか」と相談をもちかけた後見人に対し、納骨堂の担当者は「寺に対して『公的な機関に相談する』とにおわせたらどうでしょう?」とアドバイス。結局、1250万円の離檀料は50万円になったという。

 ■親族で意見合わず

 お墓の引っ越しに関連しては、「骨壺の一部だけを改葬する」方法や「分骨」をめぐるトラブルも起きている。親族、兄弟姉妹などの意見がまとまらないことが原因だ。

 1人の遺骨を複数の場所で供養する「分骨」に関しては、「バラバラになることへの反発」がある一方、「いろいろな人が供養するのが良いこと」といった感情の違いがトラブルになることもあるようだ。

 世界で一番多く分骨がされている人は仏教の祖である釈迦とみられる。法隆寺の五重塔など各地にある仏塔は釈迦の骨(仏舎利)の上に建てられているというのが建前だ。

 ■檀家と寺の関係希薄化の表れか

 改葬の手続きを進める際、どうしても必要となるのが「改葬許可申請書」に引っ越し元の墓の管理者(宗教法人)の署名・捺印(なついん)をすることだ。ほんの一部ではあろうが、「金を払わなければ判を押さない」とする寺がある。

 離檀料という言葉が広がったのはほんの4、5年ほど前。静岡県に寺を持つ曹洞宗の若手住職が「600万円だとか、メチャクチャで話にならない」と前置きしながら、こう解説する。「寺も檀家に抜けられると経営に影響する。寺の維持に関して他の檀家さんの負担が大きくなることにもなる。それまでは、檀家を抜ける側も『長いことお世話になりました』と、若干の布施を置いていく感覚があったと思う。でも、寺と檀家の関係が薄れてしまったため、そんな阿吽(あうん)の呼吸がなくなった。だから『離檀料』なんていう、いかにも払わなければいけないような言葉が出てきたのではないか」

 「檀家としっかりした関係を築いてこなかったのだから、離檀料なんていったらトラブルになるのは目に見えている」。この寺では離檀料はもらっていないという。「やせ我慢という気持ちもある。でも、ありがたいことに、寺を離れるときに(閉眼)法要の布施を置いていってくれる人もいる」と話す。

 国内の主要な伝統仏教教団で組織する全日本仏教会の広報部では「代々受け継いできた墓を守りにくい時代となっており、改葬が注目されている。檀家と寺との関係ができていれば『離檀料』という言葉を使わなくても、『お世話になった』という気持ちを互いに表せるのだと思う。檀家と寺に温度差があるために、問題が起きているのではないか」と話している。

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う~ん、「離檀料」? こんなに「とる」の?

合掌の郷でも他の地域から改葬してこられる方や、逆に、よそのお墓に移しますのでお墓をお返しします、という事例は結構あります。
でも、よそへ移す場合にこんな高額な「離檀料」と称する金額を受け取ることはありません。
ですから「1250万」「600万」と聞いて私も家族も「!!!!!!!!!!!!!!!」頭の中にいくつ「!」が並んだことでしょうか・・・・

合掌の郷の場合ですが、お墓をお返しいただときにかかる費用は、おもに次の2点になります(詳しいことは管理事務所にお尋ねください)。

1:お骨を取り出してお墓の役目を終えるときの撥遣(はっけん)供養(魂抜きとか、閉眼という場合もあります)のお布施。あわせて「先祖供養」を行う方もありますが、これらはお寺へ納めます。倫勝寺の場合は3万円です。

2:「お墓の撤去」をするための費用(お墓の大きさ、石の使用量によって違いますが、30万前後)。こちらは管理事務所(石屋さん)に支払います。

そのほかに供物や御花代、手数料などもかかるでしょうが、莫大な金額にはなりません。
基本的に「離檀料」と呼ばれるものは頂きませんが、これまでお世話になったお礼の意味をこめて、いくばくかの「お布施」をお包みくださる方は稀にいらっしゃいます。
これは保田の昌龍寺でも同じです。

1250万、600万か・・・金額がでかいなあ・・・と思ったのですが、ふと想い出しました。

ある方から、葬儀やお墓の引っ越しについて相談を受けたときのことです。

お墓の引っ越しに関して話しているうちにアツくなってきたその方に、「あんたは市井の檀家のことなんぞちっともわかっちゃいない!」と罵倒しまくられた事があるのです。

やはり「金額が大きくて困ってるんだ」という話でしたので
「新たに墓地を求めるにあたっては、新しい石碑の代金、墓地の永代使用料の代金などはかかるけれど、それはお墓を求める皆さんが同じように負担なされることで、うちは檀家になるからと言って特別な入檀料などはいただいたりしてませんし。」
と、お答えすると・・・・・・・

「だから解ってねえって言ってんだ、あっちの方(今お墓があるお寺)はお骨持っていくんなら相応の金を払わなきゃ渡さねえ、ハンコも押さねえって言ってんだよっ。
だいたい坊主なんてのは、たちの悪い詐欺師みてえなもんだ。大変な想いしてる真面目な奴からふんだくりやがって、てめえもそんなもんだろっ!
あっちとこっちと、あわせていくらおれらからしぼりゃあ気が済むんだ!おれらからふんだくった金で遊んでんだろ?イイ車のって、いいもん食って!
坊主なんて碌な奴ァいねえ、ロクにお経も読めねえ癖しやがって金の勘定ばっかり達者だ!石屋葬儀屋の片棒担いで、とんでもねえ腹グロだ!・・・」

延々と罵倒され、まくしたてられました。

先方のお寺さんになんとかしてくれるよう、ウチに頼みたかったのでしょうか・・・・

言われっぱなしでいるわけにはいきませんので毅然と対応はしましたが、坊さんみんなが悪の権化かのように罵倒し、アツくなったままでお帰りになったあの方、いまどうしているでしょう・・・。
今思えば、金額は言わなかったのですが、きっと上記に近いような金額を言われたのかもしれません。
あまりの言われように私もけっこうアツくなってしまったので、もうすこし冷静に話を聞いてあげられたらよかったなあ、と深く反省したことでした。

金額はともかく、お墓を返され離檀されるお寺さんの言い分もわかります。

たとえば、限界集落といわれるようなところでは葬儀が一つでれば、檀家が一軒無くなります。
亡くなった方の息子さんなど身内の方たちは、都市部で暮らしている事が多いので、お墓も引っ越すことになる例が多いのです。
二人無くなれば2件の檀家が無くなる、そうやって、檀家がどんどん減っていき、必然的にお寺は運営が立ち行かなくなります。
なんとか檀家さんをつなぎ止めたい、そんな気持ちも分からないではありません。

でもねえ、去るものを追っても・・・・・・(ため息)

お寺の好意で草取りをしたり、花を供えたり月命日にお経をさしあげたりするお寺さんもあるでしょう。
「亡くなったお爺ちゃんは、よく御参りに来ては御茶飲みながら話をしていってくれた、お寺の悩みも聞いてくれた。ありがたかったな、あのお爺ちゃん。」
施主家が来なくても御参りさせていただいていたのに、ありがとうの一言も無く、いきなり「お墓引っ越しますので、ハンコください」と言われた日には悲しくなってしまいます。

記事にもありますが、お寺と檀家さんが互いに信頼関係を築くような行動をとっていれば、あまり大きな問題にならずにすむこともあると思います。
お寺と檀家さんのあり方を再考させられる記事でした。

「お寺が世事に疎いから、世間がこんなになってるってことに気付かないでいるから、こんなバカみたいな問題になっちまうんだぜ!どうしてくれんだっ!このばか坊主!」

青筋たてて怒鳴りこんでくるあの方の顔が、目に浮かぶようです。

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先日、雪のなかを保田の昌龍寺に行って来ました。

頼朝桜も雪の中、です。

        

  

翌日はきれいに晴れました。で、雪の残った道路には乗り捨てられた車がたくさん・・・

      

     

今日はここまで。

 



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2 コメント

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美しい雪景色 (伊部慶一)
2014-02-13 07:51:00
これだけ積もった雪は見慣れている風景を変えてしまいます。雪のスナップも良いですね。桜に雪、なかなか撮れません。綺麗ですね。有難う御座いました
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Unknown (rinshou)
2014-02-17 15:18:31
先週末も降りましたね~しかも山ほど・・・・・・

今回の雪は、カメラどころではなかったです。
腰が痛いこと痛いこと・・・・・
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