※納経塔前で記念撮影
11月10日、11日の一泊二日で、福井県にある曹洞宗の大本山永平寺に般若心経の写経を納めに行ってきました。
※山門の四天王のうち二体。
倫勝寺の写経会が発足してもう5年余りになります。月一回の写経会ですが、いつも20人、30人と大勢のご参加をいただいています。
また、春秋の彼岸には皆さんの書かれた写経をお預かりし、鳳倫閣一階におまつりしてある観音様に納めさせていただく納経諷経を行っています。
もちろん毎朝のご供養もさせて頂いているのですが、会員の方だけでなく、一般檀信徒や書道教室の生徒さんが書かれた写経などもお預かりしていることから、このところかなり枚数がたまってきました。
写経会開始当初から「いっぱいたまったら、御本山に納めに行こう」と約束していたこともありましたので、写経会や檀信徒のかた総勢26名、想いのこもったたくさんの写経をもって、永平寺へと出かけてきました。
※山門の額
ところで御本山での納経ですが、事前にお聞きしたところでは、納経の依頼があると写経を受付でお預かりし、奉納したお経の枚数と種類を記した納経証を発行したうえで、後日読経供養をさせていただくとのことでした。
しかしこれでは、どこに納経されたのか、ちゃんと読経供養していただけたのか分かりません。参加された方々が永平寺までいった甲斐がなくってしまいます。
※山門の説明を聞く
そこで、御本山にご無理をお願いして、写経をお納めする納経塔の前で参加者の皆さんと一緒に読経をさせていただく段取りをとらせていただきましたところ、忙しい中にもかかわらず、関係寮舎の雲水さんや係りの方々にはとてもよくしていただき、本当にありがたいことでした。
※僧堂の前で。
納経塔の扉を開け、きちんと写経をお供えしていただき、蝋燭、線香や香炉など、万全の準備をしていただきました。
一地方寺院の20数名のために、多くの方々が見えないところで力を尽くしてくれていることがわかり、非常にありがたいと思いました。
※法堂まで登りきりました。
御茶の準備や、案内を担当してくれた雲水さん。納経供養の準備をしてくれていた雲水さんは足袋に泥をつけて汗を流してくれているかたもいました。
もう26,7年前になりますが、自分が永平寺の雲水だったころ、ここまで親切にできたかなあ、と考えると慙愧の思いで身が縮む思いです。
そんな中ですので、参加の方々もいつもの倫勝寺での供養のときとは違い、みなさん感無量の面持ちでしたし、読経の声もいつにも増して気持ちが入っているように感じました。
わざわざ永平寺まで行かなくても、という声もありましたが、いまは御本山に納経させていただいて本当によかったと感じています。
主催者が言うことではないかもしれませんが、とても幸せになりました。
※山門横の七間東司(お手洗い)
いつも思うことですが、永平寺は観光のお寺ではありません。奈良や京都のような国宝重文の伽藍が立ち並ぶお寺と違い、永平寺は、修行僧が日々精進を重ねている道場です。
さらにいえば、修行僧が永平寺なのです。
短い時間でしたが、そんな道場での雲水さんたちを身近に感じることができ、一生懸命な彼らにお経をお預けすることができたという安心感が、この旅行をとても充実したものにしてくれました。
※中雀門
横浜を出発するときはよく晴れていましたが、米原に入ったころから少しずつ曇り始めていました。
納経供養の終わりを待っていたように雨が降り出し、翌日の行程も殆ど雨となりましたが、これもまた御縁と思い、ありがたくお受けした次第です。
※法堂からの眺望
芦原温泉一泊(もちろん大宴会でとても盛り上がりました)の後、翌日は福井市の臨済宗妙心寺派・大安寺さまに参拝し、次いで、越前市・今立の和紙の里で和紙づくりを体験してきました。
※大安寺さま。副住職さんも話が上手い。妙心寺で4年修行したとか。
※和紙の里名物、紙すきおじさん。話し上手、気持ちをつかむのが上手です。
※あとは乾けば出来上がり。
道中ケガ人が出ることも事故も無く、和気あいあい、楽しく無事に帰ってこられたのも写経の功徳でしょうか。
納経参拝旅行、次回はまだ決まっておりませんが、多くの方にぜひご参加いただきたいと思う住職です。
今回はここまで。
次回はこの旅行で写した写真を、掲載する予定です。