映画初めは、明石家さんまの企画・プロデュースにより、直木賞作家・西加奈子の小説をアニメ映画化。とある漁港に流れ着いた母娘の日常や、そこで出会う人々との交流を描く。アニメーション制作を『鉄コン筋クリート』などのSTUDIO4°C、監督を『海獣の子供』などの渡辺歩X大竹しのぶXcocomi主演CV「漁港の肉子さん」をアマプラで。
お人よしでほれっぽい肉子ちゃんは男にだまされやすく、失恋するたびに娘のキクコと共に各地を転々とし、小さな漁港に流れ着く。そこで肉子ちゃんは妻に先立たれたサッサンが営む焼肉屋「うをがし」で働くことになり、母娘は彼が所有する漁船で暮らし始める。一方、地元の小学校に転入したキクコは、女子グループ間の人間関係に振り回されたり、一風変わった同級生・二宮と交流したりしながら、この町での暮らしになじんでいく。
公開当時は、ポスターのビジュアルが子供向けだったこととなんかイマイチそそられないタイトル、見に行かなかった一番の理由は、吉本をバックに、押しつけがましい「企画・明石家さんま」でした。しかし、意外や意外、面白いし、なかなかの出来。こんなにも男に騙されちゃうお人好しな女の人や、年齢より遥かに大人びた小学生、どんな人も受け入れてくれる名もなき漁港の人々など、今どきにはあり得ないファンタジーな仕上がりですが、生きていれば、辛いこともあるけど、美味しいご飯を食べて、心を許せる人がそばにいるだけで人生は、幸せなんだよなぁと感じさせてくれましたね。
☆☆☆1/2