JAZZ from Nishinomiya

V・プレミアリーグのJTマーヴェラスを応援しつつ、日々の出来事や雑感を語ります。ときどき毒づきます。

古來征戰幾人囘

2005年12月26日 23時32分34秒 | 雑感
学校で習う学問というものは、生きていく上でまったく必要のないであろうモノも多いですよね。中学で習った漢詩などもそう。とりあえず今のところ役に立ったことがないです。でもそんな中にもいいなぁと思う詩も多く、一番好きなのが有名な「涼州詩」ってやつ。

  
古  醉  欲  葡    涼
來  臥  飮  萄    州
征  沙  琵  美    詩
戰  場  琶  酒
幾  君  馬  夜
人  莫  上  光   王
囘  笑  催  杯   翰


葡萄の美酒 夜光の杯
飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
酔って沙場に臥す 君笑うこと莫れ
古來征戰幾人か囘る


この詩のひんやりとした空気とちょっとオリエンタルな雰囲気が好きでして。俺は酒好きなんですが酔って道端に臥したことは人生で1度しかありませんし(駅の自転車置場で寝て、始発の音で目覚めましたw)、今はあまり量も飲みません。でも「葡萄美酒夜光杯」ってな部分は、とりあえず酒好きとしてはグッときますな。

さてそんな葡萄酒つまりワインの世界では、ちょっと異変が起きているようで。

異常気象 変わる?ワイン産地 温暖化で“北上”

俺はあまりワインは詳しくないんですが、ボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュはいうに及ばず、トスカーナやリオハ、ナパ・ヴァレーなどなど、世界各地にはたくさんの名醸地というものがあるわけで、そんな所も温暖化の影響で下手すりゃ美味しいワインが造れなくなるかも、なんてのはちょっと寂しい話です。

話を涼州詩に戻しますと、これは兵士の哀しみや寂しさといった気持ちを詠った詩ということになるんでしょうが、ここで強引に戦争つながりで、この冬話題の映画『男たちの大和/YAMATO』の話を少々。

映画館で映画はほとんど見ないんですが(そのうちDVD化されるからいいや、ってこと)、この映画は見てみたいなぁと思います。CMを見るとCGがちょっとアレなんですけどね。俺は兵器というものが大好きなんですが、かといって軍事マニアとか戦争好き、メカフェチというわけではありません。まあ世の男というものは程度の差こそはあれ、戦闘機や戦艦といったものに何らかのかっこよさを感じるもんです。感じない人は赤旗でも配っているとよろしい。

大和という軍艦が、戦後60年経った今でも、こうまでも日本人の琴線に触れるのは、やはり「散り際の美しさ」にあると思うんです。艦名からしてそうなんですが、とことん日本的、どこまでも日本な存在で、例えるならまさしく桜の花(これほど日本を象徴するものもないでしょう)のようなもの。花は散るからこそ美しい。

大艦巨砲主義の結晶みたいな超弩級かつそれでいて時代錯誤な存在が、圧倒的な物量と科学的戦術に基づいた敵戦力に絶望的な戦いを挑む。いやもはやそれは戦いですらなかったのかもしれない。いわば「死に場所を見つけるための旅路」であったわけです(実際には、一般に言われているような片道燃料ではなかったんですけどね)。死ななければならなかった。この戦争にけじめをつけるために。そしてこれからの日本のために。

バレーでいうならネット挟んでハニーフ(1人)がシーガルズ(全員)と戦うようなものでしょうか。ちょっと違うか。いや全然違うな(笑)。

いずれにせよ、ただ単に無謀とか悲壮とか、そういう言葉だけで片付けられない何かがあるから、我々は大和という一つのキャラクターに、いつまでも心惹かれるんでしょう。ゆとり教育の弊害だのなんだの言われている世の中でも、それでもやっぱり我々の心の根底に横たわっている何かに響くんでしょうね。それが何かといわれれば愛国心なのかもしれないし、美意識なのかもしれない。

2002年のワールドカップあたりから、日本の右傾化だのなんだのといったことが叫ばれるようになりましたが、戦後のそれまでが左傾化し過ぎていたんだろうというのが正しいところでしょうか。行っちゃいけないレベルまで偏っていたというかね。それは結局、教育の問題、先生の問題ということだろうし、もっと言ってしまえば政治の構造でもあるとは思いますよ。俺ももちろん戦後教育を受けてきた人間ですから、どうこう言えませんけどね。

この映画を見て俺は何を感じるのか、楽しみです。でもまあ、どうせDVDで見るんだろうけど(笑)


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