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今日は薬剤師ネタです。
FUSOさんが出している『透析フロンティア』という雑誌があります。
それに載っていた「なぜ透析患者で骨折が増加するのか」という風間順一郎先生が書かれた記事が面白かったので、記事にします。
何が面白かったかというと、まず最初に目を引いたのが
「「骨強度はその70%が骨量によって規定される」という命題は、実ははっきりとしたエビデンス(証拠)に基づくわけではない。ただの都市伝説である。」という一文。
都市伝説て!!
医学雑誌に載せる記事に「都市伝説」て言葉使う!?
一気に興味出たわ〜、この記事。
この記事の内容も面白く、まとめると
◯1994年にWHOが骨量の低下を骨粗しょう症診断に用いる基準に採用し、「骨粗しょう症は骨量が低下する疾患」というイメージがもたれることになった。
◯骨粗しょう症は骨量さえ管理できれば良い、という誤ったメッセージが独り歩きした。
◯骨が折れるのは「中途半端に硬いから」である。柔らかければ折れない。ダイヤモンドはハンマーで叩けば簡単に割れる。金属がなかなか割れないのは「そこそこ硬いのにしなるから」である。
◯ 「骨強度はその70%が骨量によって規定される」というのは、ただの都市伝説である。
◯骨量は「とても少ない」のがダメなのである。
◯現在の骨粗しょう症治療薬といえば「骨量増加薬」である。骨量が著しく低い患者は骨量を増やせば骨折リスクを減らすことができるだろう。しかし安全域に到達することを約束するものではない。
◯骨折予防は転倒予防が大事。転倒の原因はサルコペニア(筋力や運動機能の低下)だけでなく貧血、運動失調、視力障害、平衡機能障害、夜間頻尿、前立腺治療薬や眠剤の服用などもある。
◯透析患者は副甲状腺機能亢進症により骨ミネラル代謝異常が起き、骨の弾力が失われていく。鉄などの金属は「硬いから折れない」のではなく「硬いのにしなるから折れない」。その鉄材も錆びればしなりが悪くなって折れる。ざっくり言えば骨も鉄材も同じ。
という感じ。
だいぶ荒くまとめてしまったが、まあ、こんな感じのこと。
「都市伝説」という言葉に惹かれて記事のまとめを書いてしまった…。