142．ベースボールの原点を見た

　「ＷＢＣはなぜ盛り上がった（と私は思っている）のだろうか。」

　思えば、昨年・・・
　日本選手の中では一部開催時期の問題等、けっして積極的ではない
発言もあったかと思う。応援する側も然り。手探り状態であった。

　蓋を開けると・・・
　１次リーグの序盤はさほど感じなかった「熱」が次第に上昇してき
たように感じる。特にアメリカに移っての初戦、「対アメリカ戦」が
ターニング・ポイントだったように思う。やはり、あの「ジャッジ」
であろうか。

　選手ひとつひとつのコメントやプレーにも、「素」を感じるように
なってきた。感情をあらわにしてインタビューに応える姿、必死さが
伝わるファインプレーやエラー、そしてゲームには出場しないものの
ベンチで一所懸命に仲間を激励するチームメイト・・・。

　スリリングなゲーム展開ももちろんであるが、これを支えた天然芝
屋外、広大なフィールドという最高の「場」で、各国の選手が国家の
名誉のために、純粋に子供のように、真剣に、ひたむきにプレーする
姿勢。これが観ている側に伝わったからこそ、ＷＢＣは盛りあがった
のではないだろうか。

　自然の中で、用具や設備に左右されない「人間が織り成すパフォー
マンス」。ここにベース・ボールの原点を見た。