らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1051.YOU LIKE ME TOO MUCH

2008-09-21 | 12.THE BEATLES
 ‘You Like Me Too Much’。ビートルズが、1965年にリリースした
アルバム“HELP! ”に収録されたジョージの作品です。何か邦題でも
つきそうな雰囲気ですが、「ユー・ライク・ミー・トゥ・マッチ」の
ままでした。

 同アルバムで、ジョージは‘I Need You’を発表しています。この
2曲はいずれも「シンプルなラヴ・ソング」で、歌われている内容は
それほど差がありません。しかし、曲調的にはどうでしょうか。

 ‘I Need You’は、キーAの3コードを基調とした「ベーシックな
8ビート」です。ギターが前面に出ていますが、特にガット・ギター
のストロークの響きがベスト・マッチです。いっぽう‘You Like Me
Too Much’は「バウンスのノリ」「はずんだ感じのビート」で、ピア
ノが前面に出ています。アコピは、ポールとジョージ・マーティン氏
による「スタインウェイ」のグランドピアノです。そして、この曲の
「リズム・ギター」的な役割を果たし存在感のあるエレピは、ジョン
の手によるものです。彼の得意技である「必殺右手弾き」で転回型を
用いないフォームに特徴があります。

【‘YOU LIKE ME TOO MUCH’ヴァースA最初の2小節(倍テンポ)】

小節  1       2
コード Am →Am →C  →G

ピアノ
            G

    E   E   E
                D
    C   C   C
                B     
    A   A
                G

 このようにしてみると、ジョンが「同じ形」(基本形)でプレイを
していることが推測できます。彼のこのフォームは、1967年の‘I Am
The Walrus’につながるものを感じます。「はずんだ感じのビート」
をジョンのこの「リズム・ピアノ」がリードしていますが、曲の進行
に合わせ、次第に「セブンス」や「ナインス」等のヴァリエーション
(ジョン自身はもちろんこのことを意識していたわけではないだろう)
を披露しています。

 さて、‘You Like Me Too Much’のコード進行についてお話をさせ
てください。ジョージの曲には、初期の‘Don't Bother Me ’の段階
から「独特な進行」を駆使することを、以前この記事で言及しました。
この曲でも、キーGに対し「Ⅱm」であるコードAmで曲を立ち上げ
ているのが特徴ですが、このスタイルは‘Think For Yourself’にも
踏襲されています。曲調をシャレた雰囲気にしていると思います。

 ジョンがジョージをビートルズのメンバーに採用した理由として

 コードをたくさん知っているから

とコメントしていましたが、それは彼の曲作りにも活かされていると
考えます。 



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9 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
基本はCですよね! (らば~そうる)
2008-09-27 23:59:43
to:評議会の端くれさん

しばし休暇を取得していましたので
ご返信が遅くなりました。すみません。

#や♭が多くても、例えば3コードのみとか
単純な構造であれば
なんとかなる部分もありますが・・・。

生演奏、楽しみにしております♪
返信する
エンディングのプレイ (らば~そうる)
2008-09-27 23:55:57
to:タケチャンさん

しばし休暇を取得していましたので
ご返信が遅くなりました。すみません。

ご指摘の箇所は、テクニック的から判断して
ジョージ・マーティン氏の演奏ではないかと思われますが
いかがでしょうか♪
返信する
Unknown (評議会の端くれ)
2008-09-24 11:01:42
曲名を間違えていました。
「マックスウエルズシルバーハンマー」でなく「オクトパスガーデン」だったでしたね。
スミマセン。
小生もピアノは「Cなら任せろ!?」って感じで、♯や♭が3つ以上になると、それこそコードネームに頼ったごまかし弾きになります。
今度、ピアノの店にでも…。
返信する
you like me too much (タケチャン)
2008-09-23 00:12:23
のことです。再度すみません。
返信する
ピアノ (タケチャン)
2008-09-23 00:11:39
オルガンじゃなくてピアノですね。
書き間違えました。すみません。お手間とらせて。
ラスト、五本指のコード弾きから、多分二本指でタララララとという音に変わって、その音が上下して、最後下がってタララランで終わるところのことでした。
返信する
リンゴのつぶやき (らば~そうる)
2008-09-22 23:14:42
to:評議会の端くれさん

リンゴは後に
「ボクがピアノをCのキーでしか弾けないのは有名な話さ」
とコメントしています。

映画“LET IT BE”の中の‘Octpus's Garden’もC
最初の自作曲‘Don't Pass Me By’もC
ですね。

解散前は
「リンゴはなんにも言わないけれど・・・」
だったのでしょうか♪
返信する
ジョンとキーボード (らば~そうる)
2008-09-22 23:14:12
to:タケチャンさん

『耳こそはすべて』によれば
ジョンはビートルズとしてデビューしてから
ピアノのレッスンをはじめたようですね。

手ほどきをしたのがポールかマーティンさんかはわかりませんが
マーティンさんによれば
ジョンが「異様な」プレイをしてもそれをやめさせることはせず
「響きがその曲に効果的にマッチしていればよい」
と判断していたようです。

例えば、‘I Am The Walrus’の左手の低音域の
三度の和音は
音が濁るのであまり用いませんが
ジョンは用いました。
また、マーティンさんは、それに対して「是」と判断したのです。

‘You Like Me Too Much’は右手のみ
‘I'm Down’や‘We Can Work It Out’は両手で弾いていますが
左手はほぼ単音でルート音を持続させる
奏法でした。

その頃からジョンがギターを弾かない曲が次第に増えてきました。
コンサートをやめた1966年の後半から1967年になると
むしろキーボード率が増えていますね。

最後に。
>この曲のエンディング。
>転がり落ちて、落ち着く感じ。
>タンタンタンタン タタタタタタ~ン
>というオルガンがいいですね。

すみません。文脈から「この曲」が何を指されているのかが
よくわかりませんでした。

‘You Like Me Too Much’では、ピアノがフィーチャーされていますし
‘Ob-La-Di, Ob-La-Da'も然り。
‘I'm Down’はフェード・アウトで終わって
います・・・。
返信する
Unknown (評議会の端くれ)
2008-09-22 11:36:18
専門的なことは分かりませんが、映画「レットイットビー」の中で、リンゴの「マックスウエルズシルバーハンマー」作曲を手伝っていたジョージが、ピアノの前で「おお神よ、この男(リンゴ)は3つのコードだけで曲を作ろうとしている」といったようなコメントをしていたのが印象に残っています。
小生も打楽器畑なので、リンゴの気持ちも分かるような…(「リンゴの唄」みたいなフレーズになってしまいました)。
やっぱりコードはギター畑の人には敵いませんね。
つまらないことを、スミマセンでした。
返信する
ジョンのキーボード (タケチャン)
2008-09-21 21:25:21
ビートルズの謎の一つ。

Help!のころから、ジョンはキーボードでも、
とても印象的なプレイを聞かせてくれます。
誰に習ったのでしょうか。
ポールはデビュー前からピアノを弾いてまし
たから、やはりポールでしょうか。
それともジョージ・マーチンでしょうか。

オブラディオブラダもそうですけど、ジョン
もキーボードのコードをよく知っていました
し、だからⅠ'm downの名演もできたわけで。

この曲のエンディング。
転がり落ちて、落ち着く感じ。
タンタンタンタン タタタタタタ~ン
というオルガンがいいですね。
返信する

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