らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1012.SUN KING

2008-08-13 | 12.THE BEATLES
 暦の上では「立秋」を過ぎました。一時的なのかもしれませんが、
東京地方では1~2週間前の酷暑がいくぶん和らいだ感じがします。

 酷暑の時は、帰宅しバス・ルームに入ると、夜なのにセミが激しく
鳴いているのが聞こえ、驚いたものです。今日、風呂に入ろうとする
と、いつの間にかセミの声がコオロギの声に変わっていました。

 季節が移ろい、確実に秋が近づいているのですね。

 湯ぶねにつかりながらコオロギの心地よい鳴き声を聞いていると、
ビートルズの‘Sun King’を聴きたくなりました。

 絶妙なアンサンブル

 ジョージの厚みのある「レスポール」で、‘Sun King’は静かに、
そしてゆったりと始まります。コオロギの鳴き声と呼応し、なんとも
物悲しく聴こえる「サーフ・ギター」です。同じフレーズを2回繰り
返した後に、ジョンの「カジノ」によるスリー・フィンガー風のアル
ペジオが聴こえてきます。2つのギターは、浮遊する空間を左右に、
そしてメロウに移動していきます。ポールによってピッキングされた
ベースの音は、あたかもキャンバスの白地の隙間に色を塗っていくか
の如く、無音の空間を活性化させていきます。リンゴの正確な「フッ
ト・ワーク」は、まるで生命のパルス音のように感じられます。

 ジョンのギター・ワークは、‘Julia ’や‘Octpus's Garden ’を
連想するような動きです。“ABBEY ROAD”に収録された‘Sun King’
と‘Octpus's Garden ’については、音に空間を感じます。おそらく
この頃よくあるように、カジノの音を「レスリー・スピーカー」経由
で出しているのかもしれません。ジョージのレスポールの音はうねり
を感じますが、これはアンプに実装されている「トレモロ」のエフェ
クターを利用していると推察します。低弦(特に5弦・4弦・3弦)
を駆使した深みのあるよい音ですね。

 もしも“ABBEY ROAD”の珠玉のメドレーの中ではなく、単体でプロ
デュースできたとしたら、エンディングの部分を‘Hey Jude’ほどの
長さではないリピートで、フェード・アウトさせようかと思います。

 至福感を十分に味わいながら・・・。



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7 Comments

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最高ですね。 (評議会の端くれ)
2008-08-15 11:33:39
半世紀以上の馬齢を重ね、いろいろな音楽を聞いてきましたが、アルバム単位でベストを挙げろといわれれば、文句なく「アビーロードのB面」と答えます。10代でレコードを買い、その後CDを求め、今でもときどきMDウォークマンで通勤途中などでウットリ?しています。
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B面でもエーメン (らば~そうる)
2008-08-16 15:42:30
to:評議会の端くれさん

この曲を含め、B面(死語!?)のジョンの曲が「断片的」であることから
この頃の彼の「分裂した精神状態を反映している」
と論評しているものもあります。

しかし、チームの「逆の方向性」が感じ取れる中で
何かの「目的意識」が作用していなければ
このような素晴らしい形にはならなかったと思います。

それにしても、この「B面」が一時は「A面」として世に出る
という構想もありました。
もし、そうなっていたら受け取る印象が
かなり異なったことでしょう。
(‘I Want You’のあの斬新なエンディング!? 生々しいですね。)
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A面B面 (評議会の端くれ)
2008-08-18 11:29:13
「A面B面」って、まさに死誤になってしまいましたね。
以前から思っていたことですが、LP時代のアーティストは、どの曲をA面トップ、A面2曲目、A面ラスト、B面トップ、B面ラス前、B面ラスト…と、構成を考えてアルバムを作成しておいたように思いますが、現在はどうなんでしょうか。
もちろん曲順はいろいろ考えているのでしょうが、聴くほうも、アーティストの構想の仕方を創造しながら楽しむ範囲が狭くなったように感じます。
A面を聴いた後に、レコードをひっくり返して、ワクワクしながらB面に針を落とす…なんてこともなくなりましたね。

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誤字脱字 (評議会の端くれ)
2008-08-18 11:32:30
このごろ歳のせいか目が悪くなって、先ほどの文章で、誤字脱字のオンパレード。
これでは部下?にも大きなことは言えません。
失礼しました。
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A面→B面 (らば~そうる)
2008-08-19 01:05:53
to:評議会の端くれさん

アナログのレコードやカセット・テープのA面をひっくり返しB面を再生する・・・。
これは一種の「ハーフ・タイム・ショー」でした。
この「間」が実によかったですね♪

A面の最後の曲やB面の最初の曲がより際立って聞こえました。
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久々です (ラミー)
2008-08-26 10:27:29
こんにちは、随分前にコメントして以来です。

「Abbey Road」のA面→B面の入替は興味深いです、あの「I want you」の突然の終了から、これこの先どう繋ぐんだろうと思いながらB面を再生したら「Here Comes The Sun」。リスナーにとっては文字通り陽が射し込んだと感じられますよね。
個人的には「Revolver」も同じような狙いだったのかなと、「She Said She Said」で死について話し合いながらフェイドアウトして(きっとこの歌の2人は徹夜で話し込みながらいつの間にか寝たんだと感じました)、次が「Good Day Sunshine」。不安な気分になっていたリスナーも、新しい朝が来て生きている事を感じられた?

私は完全にCD~iPodの世代なので、どうにか味わってみたいものです。一旦停止して、少し待って再び再生とか試みたことはありますが、やっぱり何か違いますね。
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面交換時のイメージ (らば~そうる)
2008-08-27 02:19:39
to:ラミーさん

興味あるご意見を頂戴し、ありがとうございます。

昔懐かしの「A面→B面」は
ビートルズの場合、いくつかのパターンがありますね。
“ABBEY ROAD”や“REVOLVER”の事例も「なるほど」と思いました♪
ウレセンの「A7」から「B1」でリンゴのヴォーカルが聴ける
“HELP!”や“RUBBER SOUL”もひとつのパターンでしょうか。

デジタルはもちろんよいのですが
やはりアナログならではの「よさ」もありますね。
A面→B面♪
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