らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

2367.‘GIRL’で採用されているギターは何?

2012-04-29 | 12.THE BEATLES
【BOUZOUKI】

 ビートルズ中期の名盤“RUBBER SOUL ”。当ブログ管理者のHNの
由来となっています。1965年の秋、この頃の自分のことを、ジョンは
「太ったエルビス」と呼んでいます。‘HELP! ’に隠された「苦悩の
メッセージ」はよく知られているところですが、よりシリアスな曲を
創作していこうという意図が、このアルバムで提供した曲からうかが
えます。‘Nowhere Man ’‘The Word’、そしてキリスト教に関する
書籍からヒントを得て作られたという‘Girl’。

 さて、この曲ですがアコースティックな曲ですね。ポールのベース
以外はすべてアコースティックな楽器で演奏されています。ほぼ全編
で聴くことができるストロークは、ジョンのJ-160Eによるものです。
オブリガード的に、そしてソロとして聞えてくるギターの音。今まで
通説ではジョージによる12弦のアコースティックギター、あるいは、
フラマス製のものであると特定した文献も散見されています。しかし
レコーディング現場に携わったジョージ・マーティン氏は以下の通り
コメントしています。

 ジョージが「ブズーキ」を使った

 ブズーキとはギリシャの民族楽器で冒頭の画像のようなイメージを
もった楽器です。8弦で構成されていますが、セットになった2本の
弦が4コース張られています。いわば「4弦ギターの<12弦版>」と
いったところでしょうか。音色的には確かにエンディング間近の間奏
で聞えてくる「1小節8回のピッキングで、スタッカート気味に演奏
されている音」(音源Aとします)がブズーキらしいものです。

 果たしてジョージがこのフレーズをブズーキで弾いたのでしょうか。

 いろいろな仮説が考えられるのですが、マーティン先生のコメント
と当時の4トラックレコーディングの過程から、私は‘Girl’は以下
の通りレコーディングされたと、現時点で考えるようになりました。

 1.通奏音的なハイポジのギターストロークは、ジョンのJ-160Eに
   よるものである。

 2.ジョージは2つの楽器を駆使している。一つは「1小節4回の
   ピッキング」で、これはフラマス12弦によるものである。

 3.ジョージは2と別に音源A(1小節8回のピッキングの音)を
   オーヴァーダブしており、それはブズーキによるものである。

 
 それにしても、ビートルズが“RUBBER SOUL ”で、シタール以外の
民族楽器を採用した点は興味深いことです。

 皆さまの見解はいかがでしょうか。






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10 Comments

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待ってました (ボディKETSU男ダンス)
2012-04-29 22:38:35
らば~そうるさんの本領発揮といった記事ですね。思えば、こちらのブログを何度も拝読させて頂くきっかけが、“嘘つき女”のカッコ良さを語られている記事でした。この(私のお気に入りの)曲、世間の評価が芳しくないので、あのコーラスのカッコよさ、何で皆無視してんだ、と内心忸怩たる想いでしたが、こちらのブログで、溜飲の下がる想いでした。

…興奮の余り長くなって申し訳ございません。今後とも、ご健筆期待しております。
返信する
やはりじっくりと考えをまとめることが重要ですね (らば~そうる)
2012-04-30 04:36:05
to:ボディKETSU男ダンスさん

激励、ありがとうございます。
ビートルズについて日頃感じているコトや疑問など
可能な限り時間をかけて書いていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。
返信する
my favorite song (タケチャン)
2012-05-01 17:03:16
う~んなるほど とうなりました。
さすがですね。
この曲を聞くと、ジョンはやっぱり天才だなと思いますが、ジョージもしっかりとジョンの枯れたボーカルをひきたててますね。
返信する
アイデア満載 (らば~そうる)
2012-05-02 00:07:27
to:タケチャンさん

ジョンの枯れたボーカルにシリアスな曲調。
と思いきやあの“tit ”のコーラス♪
いったい誰のアイデアなのでしょうね。
返信する
連投失礼致します (Booty☆KETSU oh! ダンス)
2012-05-04 01:23:35
名前を変えてみました
つのだ先生にあやかって(笑)

激励したくもなります。ビートルズとの初めての出会いが、らば~そうるさんと何やら似通っておりますので…
私も、譜面での出会いが初めてビートルズに接した最初でした。(私の場合はイエスタデイでしたが…)

クラシック一辺倒の個人教師が、珍しくコード進行のセンスの良さを誉めた曲でした。(普通とはチョット違う、というニュアンスも多分に含まれておりましたが…)

何気なさそで実際はキラリと光る

ビートルズ名曲群にはそんな趣きがありますよね。

何気なさそで、ズバリと曲の本質的な部分を語る

らば~そうるさんのブログにも以上の様な感慨を覚えた訳です

相当長くなり申し訳ございません。

未だに過去の記事を繰り返し楽しませて頂いているブログファンより

返信する
Yesterdayのこと (らば~そうる)
2012-05-04 19:26:48
to:Booty☆KETSU oh! ダンスさん

おお。なんだかゴージャスなネーミングですね。
☆が光り輝いています。

YESTERDAY。とても好きな曲です。
ポピュラー音楽ですと8小節単位の構成が多いのですが
この曲のヴァースAは7小節。
このあたりが彼らのセンスでしょうか。
返信する
なるほど (Booty☆KETSU oh! ダンス)
2012-05-08 03:13:51
落ち着きそうで落ち着かない感じは、そこから来てるんでしょうね…それがスタンダードの見本みたいになる。イエスタデイの計り知れない曲自体の底力も感じてしまいますね。
返信する
落ち着かない感じ (らば~そうる)
2012-05-12 23:20:31
to:Booty☆KETSU oh! ダンスさん

小節数もさることながら
主旋律で主音(ド:キー「F」ではF音)ではなく
A音で終わっているのも「落ち着かない感じ」の
一つの要素かもしれません。
返信する
あぁ…そうだ (Booty☆KETSU oh! ダンス)
2012-05-13 04:44:58
何だか…当時の教師の思い出まで蘇ってきそうな、ご指摘です(笑)
私はコードネームには疎いのですが、主音で閉じると…何だか逆に安っぽくなっちゃいそうですね(笑)

色々と有り難うございます

これからも、この様な記事を是非ともお願い致します。
返信する
多謝! (らば~そうる)
2012-05-14 00:21:21
to:Booty☆KETSU oh! ダンスさん

ありがとうございます。
今後も宜しくお願いいたします。
返信する

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