CHUCK BERRY が1957年 9月に発表し、全米8位を記録した名曲中の
名曲。ビートルズの‘Rock And Roll Music ’のカヴァーは、秀逸な
内容である。また、1966年日本公演のオープニングで演奏されたため
日本での人気が高い。日本でのみシングル・カットされたのは、ある
意味その表れであろう。
‘Rock And Roll Music ’は、一発録音のライヴ・テイクである。
UKの“BEATLES FOR SALE”のLPやUSの“BEATLES '65 ”のCD
の音源であらためて確認してみると、センターからエコー処理された
ジョンのヴォーカルとピアノ(最後のヴァースBはレフト・チャネル
から)の音を、ライト・チャネルから低弦を中心としたエレクトリッ
ク・リズム・ギターの音を、そしてレフト・チャネルからドラムスと
ベースの音を聴くことができる。
「一発取り」なのだから、リンゴがドラムスを、ポールがベースを
ジョンとジョージがダブル・リズム・ギターを、そして、ジョージ・
マーティン氏がピアノを弾いているのだろうと推測でき、また多くの
文献でもそのように紹介されている。
しかし、ジェフ・エマリック氏の著書『ザ・ビートルズ・サウンド
最後の真実』(“HERE, THERE AND EVERYWHERE”)にて驚くべきエピ
ソードが記載されているのだ。発行されてから10ヶ月以上経過する
のでこの場に書いてしまうのだが、それは、“BEATLES FOR SALE”の
レコーディングに関するエピソードである。該当部分を以下に引用す
る。
次にいよいよ時間が足りなくなってきたので、ポールがピアノに
移動し、チャック・ベリーの<ロック・アンド・ロール・ミュー
ジック>を勢いよく弾きはじめた。ジョージ・ハリスンがポール
のホフナー・ベースを弾き、ジョンの焼けつくようなヴォーカル
もふくめ、全編がライヴで演奏された。唯一のオーヴァーダビン
グはジョンのダブルトラック・ヴォーカルで、彼はこれを数分で
やり終えた。ダブルトラックに関しては、ジョンはいつも優秀だ
った。
いかがであろうか。この記述に対する私見を以下に述べさせていた
だく。
1.上記の音源を再確認した結果、ジョンのヴォーカルは、シングル
トラックであると判断できる。従って、エマリック氏の「ダブル
トラック」という記載が矛盾する。レコーディングと同時にディ
レイ処理をし、ヴォーカルで2つのトラックを使用したのであろ
うか。
2.右利きのジョージが左利きのポールのホフナー・ベースを即座に
弾くことが果してできるのであろうか。‘Rock And Roll Music ’
の前後、1964年10月18日は‘Everybody's Trying To Be My Baby’
と‘Words Of Love ’が収録されたのであるが、わざわざこの曲
のために、ローディーが弦を張り替えたのであろうか。
3.ポールがピアノを弾き、ジョージがベースを弾いた場合、ギター
はジョンが一人で担当したことになるが、少なくともヴァースB
では2本のギターの音を確認できる。低弦部の「ベースとのユニ
ゾンに近いライン」と通常のリズム・ギターである。1本で弾け
ないこともないとは思うのだが・・・。
以上から、やはりエマリック氏の記述には誤謬が含まれているので
はないかとの結論に達した。ただし、事実は不明である。ジョージ・
マーティン氏やポール・マッカートニー氏、そしてリンゴ・スター氏
あたりからいずれコメントが出るだろうと密かに期待している。
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名曲。ビートルズの‘Rock And Roll Music ’のカヴァーは、秀逸な
内容である。また、1966年日本公演のオープニングで演奏されたため
日本での人気が高い。日本でのみシングル・カットされたのは、ある
意味その表れであろう。
‘Rock And Roll Music ’は、一発録音のライヴ・テイクである。
UKの“BEATLES FOR SALE”のLPやUSの“BEATLES '65 ”のCD
の音源であらためて確認してみると、センターからエコー処理された
ジョンのヴォーカルとピアノ(最後のヴァースBはレフト・チャネル
から)の音を、ライト・チャネルから低弦を中心としたエレクトリッ
ク・リズム・ギターの音を、そしてレフト・チャネルからドラムスと
ベースの音を聴くことができる。
「一発取り」なのだから、リンゴがドラムスを、ポールがベースを
ジョンとジョージがダブル・リズム・ギターを、そして、ジョージ・
マーティン氏がピアノを弾いているのだろうと推測でき、また多くの
文献でもそのように紹介されている。
しかし、ジェフ・エマリック氏の著書『ザ・ビートルズ・サウンド
最後の真実』(“HERE, THERE AND EVERYWHERE”)にて驚くべきエピ
ソードが記載されているのだ。発行されてから10ヶ月以上経過する
のでこの場に書いてしまうのだが、それは、“BEATLES FOR SALE”の
レコーディングに関するエピソードである。該当部分を以下に引用す
る。
次にいよいよ時間が足りなくなってきたので、ポールがピアノに
移動し、チャック・ベリーの<ロック・アンド・ロール・ミュー
ジック>を勢いよく弾きはじめた。ジョージ・ハリスンがポール
のホフナー・ベースを弾き、ジョンの焼けつくようなヴォーカル
もふくめ、全編がライヴで演奏された。唯一のオーヴァーダビン
グはジョンのダブルトラック・ヴォーカルで、彼はこれを数分で
やり終えた。ダブルトラックに関しては、ジョンはいつも優秀だ
った。
いかがであろうか。この記述に対する私見を以下に述べさせていた
だく。
1.上記の音源を再確認した結果、ジョンのヴォーカルは、シングル
トラックであると判断できる。従って、エマリック氏の「ダブル
トラック」という記載が矛盾する。レコーディングと同時にディ
レイ処理をし、ヴォーカルで2つのトラックを使用したのであろ
うか。
2.右利きのジョージが左利きのポールのホフナー・ベースを即座に
弾くことが果してできるのであろうか。‘Rock And Roll Music ’
の前後、1964年10月18日は‘Everybody's Trying To Be My Baby’
と‘Words Of Love ’が収録されたのであるが、わざわざこの曲
のために、ローディーが弦を張り替えたのであろうか。
3.ポールがピアノを弾き、ジョージがベースを弾いた場合、ギター
はジョンが一人で担当したことになるが、少なくともヴァースB
では2本のギターの音を確認できる。低弦部の「ベースとのユニ
ゾンに近いライン」と通常のリズム・ギターである。1本で弾け
ないこともないとは思うのだが・・・。
以上から、やはりエマリック氏の記述には誤謬が含まれているので
はないかとの結論に達した。ただし、事実は不明である。ジョージ・
マーティン氏やポール・マッカートニー氏、そしてリンゴ・スター氏
あたりからいずれコメントが出るだろうと密かに期待している。
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