【JOHN LENNON with GRETSCH 6120】
ビートルズは、1966年のシングル第1弾として“Paperback Writer
c/w Rain”をリリースしましたが、この時の‘Paperback Writer’の
収録時にジョンは‘GRETSCH 6120”を使用しました。 325とJ-160E、
そしてカジノがトレードマークであった彼にとってグレッチの採用は
珍しいことです。
この「6120ホローボディ」は1964年製で、正式名称は「チェット・
アトキンス・ホロボディ」または「6120ダブル・カッタウェイ」です。
仕様については、ダブルカッタウェイでカラーは「アンバー・レッド」
と呼ばれるオレンジに近い赤でシミュレイテッドFホールがあります。
ボディ、ネックはメープル材で、トップ、バック、ネック、ヘッドに
バインディングが施されています。ボディは、「カントリー・ジェン
トルマン」よりも厚く「テネシアン」より薄い約64mmです。パーツは
すべてゴールドで、同じくゴールドのピックガードには「チェット・
アトキンス」のシグネチャーが刻印されています。ピックアップは、
「フィルター・トロン」、コントロール系は1個のマスター・ボリュ
ームに、各ピックアップ毎の2個のボリュームの合計3個のノブと、
ピックアップ・セレクター、トーン・カラー・スイッチ、そしてスタ
ンバイ・スイッチの合計3個のトルグ・スイッチが実装されています。
ビグスビーB6グレッチVカット・アームも見られます。
その音色ですが、基本的に「カントリー・ジェントルマン」に似て
います。しかし、ボディがやや厚いために「低音がふくよか」である
と言われています。6120は、‘Paperback Writer’で使用されて
いる可能性が高いのですが、そのストローク(1拍目休み、2拍目に
付点二分音符で刻む「=ン・チャーンという感じ」)の音色は、ディ
ストーションとトレモロ効果がかけられグニャグニャした感じであり
ながらも、芯があり腰がある音だと思います。
6120の利用については‘Paperback Writer’で取り上げられる
ことが多いのですが、他の曲、例えば‘Rain’や‘Doctor Robert '
のストロークの音も‘Paperback Writer’の音と似ています。レコー
ディング時期の近さから、この2曲もカジノではなく6120が使用
されたのかもしれません。
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ホロータイプの場合、大音量で使用に耐えるようにするためには
ボディの鳴りをある程度抑える必要があります。
しかし、倍音が豊かなボディの振動による生音を得ることも重要なので
それをフィードバック無しで増幅することは
二つの相反した命題であったわけです。
グレッチ系ではFホールを省略することによって
対応していました。
広い意味でいえばJ-160Eもホロータイプ
といえます。
こちらは振動特性のやや劣る合板をトップ材に使用することにより
対応していました。
カジノについては、このフィードバックをよい意味でとらえ
3人が選択した点が興味深いですね。
セミホローのカジノだと、ホールがないと鳴りが物足りなくなるのか?
グレッチはジョージの初期の音が印象に残ってます。腰があって、明るい音かな。I Saw Her Standing There