【1965年02月16日 EMI本社にてEMI会長ジョゼフ・ロックウッド卿と】
1965年 2月16日、17時から4人はEMI・第2スタジオで‘Yes It
Is’を14テイク収録して22時までに完成させた。このうち、TAKE 2は
“ANTHOLOGY 2 ”で聴くことができる。TAKE 2では、演奏途中の‘If
I could forget her’の箇所で、ジョンのJ-160Eの弦が切れてしまい
(‘String broke’)中断する。“ANTHOLOGY 2 ”では中断箇所から
リリース・ヴァージョンとして採用されたTAKE14の音源を、編集して
つなぎ合わせている。
TAKE 1もTAKE 2もそうであるが、曲の構成はいちおう確立している
ものの、一部コードやエンディング等、完成ヴァージョンとは異なる
箇所が数箇所ある。収録に関しては、この頃から採用した方式を採り
いれている。まずリズムトラックを完成させようとしているのだ。
TAKE 1。最後まで完奏する。ジョンがJ-160Eをかきならしながら、
ガイド・ヴォーカルで他の3人を牽引する。この時点でまだガット・
ギターは採用されていなかったようだ。リンゴのリム・ショットが、
アンサンブルを引き締めてはいるものの、全体的にやや不安定な展開
である。ポールのヘフナーは、かなりソフトなトーン。指の腹で弾い
ているのであろうか、アタック音がなく「ボー」という感じの輪郭の
ない音だ。ジョージは、ヴォリューム・ペダルと格闘している。
それにしてもジョンのストロークは「力強い」。特に、コード「D」
になると、開放弦である4弦の「D」が半ばアタック音となって響く。
弦が切れなければよいが・・・。結果的にTAKE 2で切れてしまうが、
それが予感できるようなTAKE 1のストロークである。切れたのは何弦
であろうか。まさか4弦が切れるとは思えないが・・・。
TAKE 1とTAKE 2では、‘For red is the color that my・・・’の
コードが「G#m」である(リリース・ヴァージョンでは「C#m/
G#」→「E/B」)。この箇所のポールのベース音は、リリース・
ヴァージョンと同様に「G#」で始まっており、既にこの時点で固ま
っていたようである。また、エンディングの構想について、この時点
ではまだ煮詰まっていなかったようだ。‘Yes it is, it's true’の
歌詞の部分を「E6」→「E」の循環コードで何回か繰り返してやや
締まりなく終了している。
このような状態からあの「素晴らしい3パート・コーラス」が乗っ
かってしまうのだから、ものすごい「発想力」である。
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ジョンの声!
どの時代もよいのですが少しずつ変化していますよね♪
個人的には「1965年~1966年」あたりの
トーンがいちばん好みです。
‘I Need You’は‘Yes It Is’収録前の時間帯に
「ヴォリュームペダル・ギター」をオーバーダブ
したようです。1965年 2月16日。
やはり。溢れんばかりの想像力!
この頃は次から次へとアイディアが出ていたのでしょうか♪
あと音のポイントはヴォリュームペダルですね。懐かしさを感じさせる味わいあって。I need youでも聴くことできますね。
これもすごいアイディアだったと思います。
ジョンもポールに劣らず、新しい音作りに貪欲だったと思わせますね。