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何故か急に、山之口獏さんの詩が読みたくなりました。
『座蒲団』
土の上には床がある
床の上には畳がある
畳の上にあるのが座蒲団でその上にあるのが楽という
楽の上にはなんにもないのであろうか
どうぞおしきなさいとすすめられて
楽に座ったさびしさよ
土の上の世界をはるかにみおろしているように
住み馴れぬ慣れぬ世界がさびしいよ
◇◇◇◇◇
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若い頃の獏さんは、非常に貧乏で、ルンペンのような生活をしていたようです。これは、そんな獏さんが、知人の家に伺って座布団を勧められた時の想いを描いた詩とか。
座布団の上が楽なら、楽の上に有るのは何だろうか。楽の上には骨盤が座り、骨盤の上に背骨がつづき、頭が居座る。
私のように加齢となると、骨盤や背骨、頭の座りも悪くなり、健康志向で、腹筋背筋の強化を試みてもおぼつかない。
胡坐をかいて座り、仙骨を上に突き上げるように座り、目をじっと閉じてみる。果たして楽は???