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フィンランド・エストニアの旅(25) タリンを歩く:その6 聖オレフ教会とその伝説

2011-03-01 07:00:52 | さすらいブロガー旅情編
 聖オレフ教会の尖塔屋上から長い階段を降りて、地上へとやってきました(屋上からの景色ほかこれまでの旅についてはまとめエントリからどうぞ)。



 教会に入ってすぐ尖塔を上ったので、本体を全然見ていませんでした(苦笑)
 教会内部はこうなっています。聖霊教会と比べると広々とした感じがします。



 天井もかなり高いですね。



 祭壇に掲げられているのは、キリスト受難の絵。



 少し離れたところには、復活の絵が。キリストの生涯を描いた絵があるのは、あらかたの教会で共通しているようですね。



 教会の外に出てきました。正門のところにあったのですが、これは何なんでしょうね?



 教会の周囲を見て回ります。裏手に何やら柵で囲われたところがありますね。



 近づいてみると、これは人の遺体のレリーフでしょうか……何やら不気味です。
 聖オレフ教会は、もともと11世紀のノルウェー王で「聖王」と称されるオーラヴ2世ハラルドソンの名を冠して建てられたとされています。
 ですが、実は、この教会の建設についてはもう1つ、この遺体に関わる哀しい伝説があるのです。

 その昔、タリンの貴族たちは、街に商人をたくさん呼び込むために、世界一高い塔を建てることを決めました。
 しかし、そんなに高い塔を建てるのは難しい仕事ですし、普通ならとんでもないほどのお金がかかります。
 そんな時、ある男がやってきて、塔を建ててやると言い出しました。彼が言うには、「塔が完成したら支払いはたんまり頂く。だが、1つ条件を満たせばタダにしてやろう」というものでした。
 その条件とは、その男の名前を当てるというもの。ところが、これが簡単ではありませんでした。男は口を滑らせることもなく、黙々と、しかもすばやく塔を建てていきます。
 塔の完成が近づいたある日、タリンの人々は何とか男の家を探し出し、男の妻が歌う子守唄を耳にしました。そこで、ついに男の名を突きとめたのです。
 そして、塔自体が完成しついに尖塔に十字架を取り付けようという時に、男にこう叫んだのでした。

「おいオレフ、十字架が傾いているぞ!」 

 オレフは驚きのあまり足を滑らせ、そのまま地面に落ちて死んでしまいました。彼の身体からは蛙と蛇が這い出していったといいます。
 そんな彼を憐れんだタリンの人々は、完成した教会にオレフの名前を付けたのでした。今目の前にあるのが、そのオレフの遺体だと言われています。

 かつては世界一の高さと言われた聖オレフ教会の尖塔。
 その威容を眺めた人々が、これは普通の人間の建てた建物ではないと考えるうちに、こんな伝説が生まれたのでしょう。
 伝説を生んだ時代の姿が残るタリン。もう少し歩いてみましょうか。

※ 参考資料
'Myths and Legends in Tallinn'("Estonia onLine"、2011年2月25日閲覧)
'St Olav's Church'("Tallinn-Life.com"、2011年2月25日閲覧)
・「25 タリン旧市街観光 その5 聖オレフ教会編」(『マリンブルーの風』、2011年2月25日閲覧)



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2 コメント

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ルンペルシュティルツヒェン (M・K)
2011-03-04 03:13:21
名前を当てるといえば、↑を思い出しました。
この手の話は探せば、世界各国でありそうですね。
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M・Kさん (ルパート・ジョーンズ)
2011-03-04 07:44:30
Wikipedia経由で見つけたのですが、日本でもありようですよ。
http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM067.html
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