にわか日ハムファンのブログ記念館

2004年8月から2014年6月にかけて更新してきた当ブログを静態保存しております。

〔青森・鉄道残日録〕(7)厳冬の大湊線

2012-02-17 19:47:33 | さすらいブロガー旅情編
 「日本海」を見送った後は、今日乗車予定の快速「しもきた」を待つ。この列車でJR大湊線を乗り通すのが今日の予定だ。



 この雪で大幅に遅れる心配もあったが、青森を出たのはわずかに2分遅れ。むしろ優秀な部類と言っていいだろう。
 列車は雪が吹き付ける中を轟音をあげて走る。窓に叩きつける雪の音、その勢いに負けじとエンジン音を響かせる列車。感傷に浸る余裕もない、荒涼たる光景である。
 ところが、浅虫温泉を過ぎてみると急に日の光が差し始め、小湊で一転して晴れ間が広がった。青森から1時間も走ってないのに、いったいあの大雪はなんだったのか、と言いたくなるばかりである。
 そうこうするうち、列車は野辺地に到着。ここで進行方向を変えて、大湊線に入る。


(クリックすると拡大)

 大湊線は下北半島の付け根の西側を走り、野辺地から大湊までを結ぶ路線である。
 野辺地ではもともとJR東北本線に接続していたが、東北新幹線が新青森まで開通したことで、同線が青い森鉄道に移されたため、現在大湊線はJRのどの路線ともつながっていない、完全な飛び地路線となっている。
 このほか、同じ野辺地ではローカル私鉄の南部縦貫鉄道、下北では国鉄大畑線、のちに下北交通大畑線に接続していたが、どちらもすでに廃線となっている。
 最近ではローカル線の需要掘り起こしを狙うJR東日本によって、「はまなすベイライン」という愛称もつけられていたりする。



(クリックすると拡大)

 大湊駅はJR東日本最北の駅。当然、本州のJRでも最北となる。JRで、というのは、民鉄(私鉄)を入れるとケーブルカーでさらに北を走る路線があるからだ。


(クリックすると拡大)

 先程見たように、大湊線は60キロ近い距離の路線ではあるが、駅の数は11しかない。野辺地と大湊を除けば人口が集まるところがそもそも少ないのだ。


(クリックすると拡大)

 とはいえ、霊場恐山をはじめ、観光資源には事欠かない。もっとも、この時勢に六ヶ所村の某施設まで「観光」に出掛ける人がどれだけいるかは疑問だが。



 野辺地を出てしばらくすると集落が終わり、列車は林の中を走る。相変わらず晴れている。



 しばらくすると野辺地湾に出た。



 冬の荒波、と言いたいところだが、内海なので日本海や太平洋に比べると、波はおとなしい方だ。といっても、野辺地湾では波が立っている部類に入るのかも知れない。



 しばらくすると、また曇り始めた。山でもないのに天気が変わりやすい。



 日が陰ると、俄然寂寥感が増してくる。



 かと思えばまた日が差して、



そうかと思えばまた垂れこめた雲に閉ざされる。



 窓の外は灰色の世界。モノクロームでないことが、辛うじてわかるレベルの世界である。



 風除けが並べられている。いくら外海でないとはいえ、冬の厳しさは見ての通り。まさに最果てのイメージが、現実にここにある。



 風雪をまともに受けるディーゼルカー。叩きつけた雪がそばからこびりついていく。



 最後尾から。二本のレール以外はすべて雪に埋もれている。



 またも雲の切れ間が広がり、目の前に秀峰が姿を現した。あれは恐山だろうか。
 そして列車は大湊に到着。本州のJR、最果ての地にたどり着いた。


最新の画像もっと見る