ある思い出：バファローバレイの仲間たちがいた大阪ドーム

　ぼくがバファローバレイの仲間たち4人を見たのは、大阪ドームができた年に近鉄－西武戦を観に行った時のことだ。
　そもそも観戦のきっかけは、当時可愛がっていた後輩が彼女とデートに行くのに同伴する羽目になったからだ。付き合い始めたばかりで、彼は2人きりになるのがまだ不安だったらしい。
　「野球ぐらい2人で行けなきゃどうするんだよ……」そんな気もしたけど、できたばかりの大阪ドームには興味があった。
　それにその頃はぼくにも付き合っている女の子がいたし、ダブルデートも面白そうだ。そんなこんなで、結局は行ってみることにした。
　初めて行った大阪ドームはまさに異空間だった。ぼくたちが座ったレフト上段席からは、盛り上がる1塁側スタンドの様子がよく見えた。
　「パ・リーグ戦は客が入らない」そう思い込んでいる人には信じられないかも知れないけど、この日ぼくが見た近鉄側のスタンドは本当に華やかだった。イニングの合間に踊るOSKの劇団員たち、ぎっしりと埋まった観客はあるいは応援バットで、あるいはポンポンを手に声援を送る……
　そんな中、ぼくの目に留まったのは見たこともない4体のマスコット。
　普通マスコットといえばユニホームを着てるものだし、人数も1人かせいぜい2人（この頃のぼくはホークファミリーを知らなかった）。
　なのに彼らは4人もいるし、1人を除けば来ている服はどうみてもユニホームに見えない。野球チームのマスコットというよりは、まるでおとぎ話の登場人物じゃないか。一体なんなんだ？彼らは妙にぼくの興味を引いた。
　この日の試合の内容はほとんど覚えていない。覚えているのは近鉄が勝ったことぐらいだ。なにせデートだったし、そんなものどうでもよかったんだろう。女の子そっちのけで試合に夢中になってたら大変だ（笑）
　ただ、この試合があってからほどなくして後輩たち2人は別れてしまったし、ぼくもその後いろいろあって、当時の彼女とは結局別れることを選んだ。そんな間に7年半が経ってしまったが、今から思えば信じられないほど華やいだスタンドと不思議なマスコットたちの姿は、その後もずっとぼくの心に残っている。

　で、今。
　前に書いたことだけど、バファローバレイの仲間たちのうち、バフィーだけが引き離されて、本社の方の檻に入れられている。
　おそらく、あの連中がバフィーを手放すなんてことはほとんど期待できないだろう。言い過ぎかもしれないけど、奇跡でも起きない限り無理なのかも知れない。
　だけど、もしそうなら、ぼくは奇跡が起きてほしいと願う。可能性があるないなんて問題じゃない。願いを持つことに可能性もへったくれもない。仲間は一緒にいるべきだと思う。一緒にいてほしいと願う。当然でしょ？
　何より、こんなシーンを想像するだけで胸が熱くなるとは思わないか？



【この記事をご覧の皆さんへお願い】
　この記事はリサ・フェルナンデスさんが提案し、めたかさんが草案を発表した「バフィー君エイド」に賛同すべく作成されたものです。また、この企画についての概要は下記リンク先をご参照ください。
　私たちに必要なのは、皆さんのバファローバレイの仲間たちへの想いと、そしてほんの少しのアイディアです。ぜひ1人でも多くの方のご賛同をいただけるよう、心よりお願いいたしますm(＿＿)m
　なお、この記事で使用したイラストはリサ・フェルナンデスさんから頂きました。ありがとうございました。

・リサ・フェルナンデスさん『獏の食わず嫌い』：「 『バフィー君エイド』・ブログのチカラ」
・同：「場外乱闘後記：バフィー君エイドとおまけ画像」
・めたかさん"at most countable"：「バフィエイド企画案草案」