浅虫温泉から青い森鉄道終点の青森には6分遅れで着いた。まだ5時前だが、すでにあたりはすっかり暗くなっていた。
青森駅の売店で土産物を買い、夜食だなんだを調達してしばらく過ごす。そうこうするうちに、寝台特急「日本海」入線の時間となるはずだ。
ところが、発車30分ほど前に駅のアナウンスで、「車庫のポイントが切り替わらなくなったので入線が遅れる」ときた。
この期に及んでハプニングもあったものだが、とにもかくにも青森駅まで着いて、われわれを乗せて大阪まで走ってくれれば文句はない。
幸い、15分もしないうちにポイント復旧のアナウンスがあった。これで遅れはするが運転はできる。当然文句はない。
ホームに向かうと、大勢の鉄道ファンが入線を待っていた。ホームだけではない。跨線橋にもカメラを用意したファンが待ち構えている。この光景があと2ヶ月ちょっとは続くのだ。
そしていよいよ、青森駅に「日本海」が入ってきた。ここから大阪駅まで15時間ほどを共にする列車だ。
青森駅までは列車の最後尾、そしてここからは列車を引っ張る電気機関車。
関西と青森を結ぶJR線は総じて「日本海縦貫線」と呼ばれる。そこで長らく花形を務めたのがこの機関車、EF81だ。
しかし、相次ぐ寝台特急の廃止で、この機関車の活躍の場もどんどん少なくなっている。まだトワイライトエクスプレスが残るものの、北海道へ新幹線が延びれば、その運命も定かではない。
老エースの引退の時期も、さほど遠いことではないのだろう。
ともあれ、B寝台車に乗り込む。できることなら、この春で絶滅が確定的な一般のA寝台が良かったのだが、さすがに早々に売り切れてしまった以上、どうしようもない。
車両番号を撮っておいた。これも記念になる。
ところで、JRの車両でこの「オハネフ」のほか、「クハ」「モハ」「キハ」など、カタカナの記号がついているのを見たこともある方もいるのではと思う。
ごく簡単に説明すると、この記号は客車・電車・気動車(ディーゼルカー)で使われるもので、先程の例でいえば「クハ」「モハ」が電車、「キハ」が気動車のものだ。
「日本海」で使われるこの車両は、自力では動けない客車になる。この場合、まず最初のカタカナが車体の重さを示している。この「オ」だと、32.5トン以上37.5トン未満、現在の客車では標準的だろう。
つづく「ハ」は車両の等級を示している。昔は1等車から3等車まであって、イロハ順に等級が示されていた。その名残で、A寝台やグリーン車は「ロ」、B寝台や一般車両(指定席・自由席共)は「ハ」となる。
つまり、今は「イ」が消滅してしまっているのだ。個人的には、カシオペアなどの個室寝台や「はやぶさ」のグランクラスなど「イ」にふさわしいと思うのだが……まぁ、大人の事情があるのだろう。
閑話休題。「ネ」は寝台車のこと。おそらく「寝る」の「ネ」で間違いなかろう。そして最後の「フ」はブレーキ操作のできる車両ぐらいに思っておけばよい。
うまく撮れなかったが、大阪行の表示幕。一通り撮影を済ませて、列車に乗り込む。
久しぶりの寝台列車。その昔、金を稼げるようになったらあの列車にも乗りたい、この列車にも乗りたいと思っていたものだが、どれもこれも無くなってしまった。だからせめて今日は、この雰囲気を満喫したい。
「日本海」は10分遅れで青森駅を出発した。ガタン、という大きな音と衝撃が、夜行列車に乗っているのだという気分をかえって高めてくれる。
落ち着いたところで夕食である。2人して駅弁を買って分けることにした。
やはりホタテは外せない。夜にもなると駅弁の売れ残りはほとんど残っていなかったが、これこそ残り物に福である。
青森駅はとりめしも有名らしい。
もっとも、とりめしは青森駅に限ったものでもないが、場所によってバリエーションがあるので、画一化とは無縁である。
地元のつまみも買ってみた。八戸で味をしめたのだ。
つまみを買う以上酒も買うわけだが……あらためて見ると、どんな呑兵衛なのかと我ながら呆れる。
ちなみに、妻は酒がほとんど駄目なので、飲むのはアップルジュースだけ。残りの酒類は私が呑む。これもこれで酷い話である。
「日本海」は青森を出ると順調に走り続け、東能代を出たところで消灯、車内放送も翌朝までなくなった。そろそろ寝る時間なので、上段のベッドに移る。
残りの酒を呑みながら、夜は更けていった。
青森駅の売店で土産物を買い、夜食だなんだを調達してしばらく過ごす。そうこうするうちに、寝台特急「日本海」入線の時間となるはずだ。
ところが、発車30分ほど前に駅のアナウンスで、「車庫のポイントが切り替わらなくなったので入線が遅れる」ときた。
この期に及んでハプニングもあったものだが、とにもかくにも青森駅まで着いて、われわれを乗せて大阪まで走ってくれれば文句はない。
幸い、15分もしないうちにポイント復旧のアナウンスがあった。これで遅れはするが運転はできる。当然文句はない。
ホームに向かうと、大勢の鉄道ファンが入線を待っていた。ホームだけではない。跨線橋にもカメラを用意したファンが待ち構えている。この光景があと2ヶ月ちょっとは続くのだ。
そしていよいよ、青森駅に「日本海」が入ってきた。ここから大阪駅まで15時間ほどを共にする列車だ。
青森駅までは列車の最後尾、そしてここからは列車を引っ張る電気機関車。
関西と青森を結ぶJR線は総じて「日本海縦貫線」と呼ばれる。そこで長らく花形を務めたのがこの機関車、EF81だ。
しかし、相次ぐ寝台特急の廃止で、この機関車の活躍の場もどんどん少なくなっている。まだトワイライトエクスプレスが残るものの、北海道へ新幹線が延びれば、その運命も定かではない。
老エースの引退の時期も、さほど遠いことではないのだろう。
ともあれ、B寝台車に乗り込む。できることなら、この春で絶滅が確定的な一般のA寝台が良かったのだが、さすがに早々に売り切れてしまった以上、どうしようもない。
車両番号を撮っておいた。これも記念になる。
ところで、JRの車両でこの「オハネフ」のほか、「クハ」「モハ」「キハ」など、カタカナの記号がついているのを見たこともある方もいるのではと思う。
ごく簡単に説明すると、この記号は客車・電車・気動車(ディーゼルカー)で使われるもので、先程の例でいえば「クハ」「モハ」が電車、「キハ」が気動車のものだ。
「日本海」で使われるこの車両は、自力では動けない客車になる。この場合、まず最初のカタカナが車体の重さを示している。この「オ」だと、32.5トン以上37.5トン未満、現在の客車では標準的だろう。
つづく「ハ」は車両の等級を示している。昔は1等車から3等車まであって、イロハ順に等級が示されていた。その名残で、A寝台やグリーン車は「ロ」、B寝台や一般車両(指定席・自由席共)は「ハ」となる。
つまり、今は「イ」が消滅してしまっているのだ。個人的には、カシオペアなどの個室寝台や「はやぶさ」のグランクラスなど「イ」にふさわしいと思うのだが……まぁ、大人の事情があるのだろう。
閑話休題。「ネ」は寝台車のこと。おそらく「寝る」の「ネ」で間違いなかろう。そして最後の「フ」はブレーキ操作のできる車両ぐらいに思っておけばよい。
うまく撮れなかったが、大阪行の表示幕。一通り撮影を済ませて、列車に乗り込む。
久しぶりの寝台列車。その昔、金を稼げるようになったらあの列車にも乗りたい、この列車にも乗りたいと思っていたものだが、どれもこれも無くなってしまった。だからせめて今日は、この雰囲気を満喫したい。
「日本海」は10分遅れで青森駅を出発した。ガタン、という大きな音と衝撃が、夜行列車に乗っているのだという気分をかえって高めてくれる。
落ち着いたところで夕食である。2人して駅弁を買って分けることにした。
やはりホタテは外せない。夜にもなると駅弁の売れ残りはほとんど残っていなかったが、これこそ残り物に福である。
青森駅はとりめしも有名らしい。
もっとも、とりめしは青森駅に限ったものでもないが、場所によってバリエーションがあるので、画一化とは無縁である。
地元のつまみも買ってみた。八戸で味をしめたのだ。
つまみを買う以上酒も買うわけだが……あらためて見ると、どんな呑兵衛なのかと我ながら呆れる。
ちなみに、妻は酒がほとんど駄目なので、飲むのはアップルジュースだけ。残りの酒類は私が呑む。これもこれで酷い話である。
「日本海」は青森を出ると順調に走り続け、東能代を出たところで消灯、車内放送も翌朝までなくなった。そろそろ寝る時間なので、上段のベッドに移る。
残りの酒を呑みながら、夜は更けていった。
ネット通販で地酒を買える世の中ですが、
現地で直接買うのが醍醐味の一つだと思います。
といいつつ、呑み鉄はやめられないというこの矛盾(苦笑)要は程度の問題なんですが……