日本のオストメイト人口は11万~15万人いると言われているようです。
他のオストメイトはどの様な生活をし、どの様な悩みを持っているのか…?という情報を得る事は、ストーマライフを正しく認識して、自分が正しい判断を下す為の参考になると思います。
今回、取り上げる統計データーは、「ストーマ保有者の困った経験の実態調査報告書」で、副題は「あなたに知ってほしいストーマとともに生きること」です。
http://www.siup.jp/database/pdf/stoma_report.pdf
「ストーマ・イメージアップ・プロジェクトチーム(SIUP)」の編集で、「平成25年度日本創傷・オストミー・失禁管理学会、アルケア技術・研究助成および平成22年度日本ストーマ用品協会研究助成を受けて実施しまとめたものである。」と記載されています。
オストメイトの属性について
839人のオストメイトからの回答を基に、年齢/性別/ストーマの種類/ストーマ保有年数の分布が集計され、更に、就業状況/ストーマ外来受診状況がストーマ種類別に集計されています。膨大なデーターを様々な切り口で分析していて、自分がどのゾーンやタイプに属しているのかを知る事が出来ます。皆様もPDFファイルを開いて、詳細を確認される事をお薦めします。
私なりに纏めてみたオストメイトの属性については…、
●オストメイトの年齢は70歳台が最も多く、次に60歳台、80歳台で、全体的には60歳台以上が81%を占めていて、圧倒的に高齢者が多く、男性60.2%に対して女性36.3%で男性が多い。
●大腸ストーマの割合が最も多く、次に尿路ストーマ、小腸ストーマの順。
●また、71.6%の方がストーマ外来を定期的、又は困った時に受診している…。という事です。
個人的には、高齢男性の比率が圧倒的に多い事を知り、びっくりしています。
●ストーマ管理で困った経験についての集計です。
「便や尿が漏れた」が50.9%と最も多く、二番目の「皮膚がただれた」も49.9%と同様に多い。
「漏れ」が発生すると「皮膚のただれ」が発生し易くなり、「皮膚のただれ」が発生すると面板との密着性が悪くなる事から「漏れ」が発生し易くなる…、という関係があり、共に悪化する傾向が強い。
「便や尿が漏れた」と「皮膚がただれた」が負のスパイラル関係にある事から、両者が共に上位を占めている事は納得である。
約50%もの多くのオストメイトが「漏れ」や「皮膚障害」に悩まれている事を確認でき、本ブログの「安心パウチ」が少しでも解決の力になれたら幸いである。
次は、ストーマ保有年数別にみたストーマ管理で困った経験である。
何れの年数でも、困った経験の上位は「皮膚がただれた」「便や尿が漏れた」「お腹の形が変わった」であった。経験年数が増えても「皮膚がただれた」「便や尿が漏れた」の件数が減らず、むしろ増加する傾向も見られる。
最後に日常生活での困った経験の統計である。
「下着が汚れる」「洗濯物が増えた」という「漏れ」の後処理に関係した項目や、「温泉に行けなくなった」「旅行が減った」「外出が減った」というように生活が制限されている実態も読み取れます。
皆さまの場合はいかがですか?
ある方が、「不便だけど不幸じゃない!」…、と言っていた事を思い出します。