「安心パウチ」を取付けた装具の実例 (母が愛用していたイレファインTD)の場合
イレオストミーだった母は便の性状が水様便で、かつストーマは高さが殆ど無い平坦な形状だったので、面板開口部から便が潜り込み易く、装具の選定や、アクセサリーの使用には苦労をしました。WOCナース、訪問看護師、国内外の装具メーカーの相談窓口の方々のアドバイスを受けながら、イレオストミー向けの装具の殆どの種類をトライアルさせて頂いたと思います。
面板の皮膚保護剤がイレオストミー向けである事と、凸型の面板である事という条件に絞り込まれ、最終的にはアルケア社のイレファインTDに落ち着き、後半の長い期間愛用させて頂きました。イレファインという商品名からも分かるように、イレオストミーに特化して開発された皮膚保護剤が面板に使用され、水様便の逆流を防ぐ防止弁が選択できるなどの工夫が成されています。更に、ストーマの高さ不足を補正する為に、ホリスター社のアダプト皮膚保護シールを面板開口部へドーナッツ状に加工して取付けていました。
●一番左側の写真から、「安心パウチ」を取付ける前のイレファインTD。
●次が「安心パウチ」のアッセンブリーで、粘着テープと二枚のビニールで構成されています。黄色の矢印が袋を示しています。
●その次がイレファインに「安心パウチ」を取付けた完成品。
●一番右はパウチをめくり上げた状態でスリットが見えます。黄色の矢印は面板の周縁部から漏れ出た排泄物がスリットを通過して「安心パウチ」にキャッチされる経路を示しています。
自作の手順は、先ず「安心パウチ」のアッセンブリー部分を作って、最後にイレファインに接着剤でドッキングします。10セット製作するのに所要時間は約2時間程度かかります。「2時間も大変だ!?…」、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし何よりも、「安心パウチ」付きの装具を使えば第一に安心感が得られる事…、万一の時でも被害が出ずに、衣服の漂白や洗濯などの手間も無くなる事…、を考えると決して大変だとは思いません。
追って、自作する詳細な方法をアップしていく予定でおります。(「安心パウチ」を自作する手順の解説を参照下さい)