この写真は、福岡市早良区内野の公園で撮ったソメイヨシノです。運悪く満開の日は曇ってしまいました…。桜が咲くといっきに気分が春らしくなります。と同時に春休みの終わりを感じ、少し憂鬱にもなります。山沿いに位置していおり、開花は大濠公園の桜より遅めでした。今ではすっかり散ってしまいましたね。
ところで、みなさんは南区の桧原(ひばる)桜をご存じでしょうか。道路沿いに数本ある桜なのですが、30年ほど前にこの桧原桜をめぐったある出来事がありました。
約30年前の3月、道路拡張のため桧原桜は伐採されることになりました。花を咲かせることのできないまま伐採された桜。それに胸をいためた方が、桜への思いを俳句にこめ、それを書いた紙を桜の木にかけました。
花守り、進籐市長殿
「花あわれ せめては あと二旬 終の開花を 許し給え」
その後、伐採を惜しむたくさんの俳句や短歌が桜の木にかけられました。そのたくさんの歌のなかに次のような俳句がかけてありました。
「桜花惜しむ 大和心の うるわしや とわに匂わん 花のこころは。」
実はこの俳句、住民の俳句に心を打たれた市長がお詠みになった俳句であったそうです。その後、道路工事の計画を変更し桜の木は立派な花を咲かせることができました。
一般的な文章では伝えきれない気持ちが、俳句だからこそ強く訴えることができたのでしょう。やはり日本の文化や日本語はすばらしく、美しいものですね。
グレート京子